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「一番大きなものが僕の中で変わった」
劇的進化を遂げた筒香嘉智の告白。
posted2016/10/07 17:30
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Nanae Suzuki
8日からクライマックスシリーズが始まる。球団史上初のCS進出を決めた横浜DeNAベイスターズは読売ジャイアンツと東京ドームで対戦する。
チームを引っ張るラミレス監督の手腕にも注目だが、更に期待を集めるのが、4番筒香嘉智の存在だ。
レギュラーシーズンでは、打率.322、44本塁打、110打点。ホームランと打点の二冠王に輝いた。日本人打者のシーズン40本越えは2011年の西武・中村剛也以来の快挙で、スラッガーとしての素質が一気に開花したように見える。
CSでもその打棒に注目が集まるが、それにしても今季、筒香が大きく飛躍した理由は何なのだろう。現在発売中のNumber912号「Baseball CLIMAX2016 侍スラッガー進化論」では、本人インタビュー、更に彼をよく知る人物たちにも徹底取材をし、躍進の秘密を探っている。
「一番大きなものが僕の中で変わった」
4月1日、阪神の能見篤史から本塁打を放ったとき、筒香はこんなコメントを残した。
「何年もかけて取り組んできたことがモノになりつつある」
9月下旬に行われた本人インタビューの冒頭、この言葉の真意を聞くとこんな答えが返ってきた。
「左方向への本塁打ということもありましたけど、それとは違う、一番大きなものが僕の中で変わったというのがあった」
筒香は最近自身のバッティングについて「矢印をまとめる」という言い方をする。体の中にいろいろな矢印があり、それがすべて1つの方向にまとまる感覚があるのだという。ライターの日比野恭三氏のインタビュー(筒香嘉智・独占インタビュー「『矢印をまとめる』究極の打撃を」)でも、
――7月には好調の要因を「体の中がよく動くようになった」と語っていました。今、その感覚はなくなってきている?
「いや、体の中は動いてますね。でも、いろんな矢印が出るので。その矢印をまとめるのが、まだ自分のものにはなってないですね」と答えていた。
その「矢印」について今回改めて話をむけると……。