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体操女子、4位は48年ぶりの快挙!
世界に通用した“キャピキャピ感”。
posted2016/08/10 17:00
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
JMPA
平均年齢18歳の若いチームが、48年ぶりの快挙を達成した。
体操の女子団体総合決勝で日本は合計174.371点の4位。'08年北京五輪の5位を上回り、'68年メキシコ五輪以来、48年ぶりの好成績を収めた。
'64年東京五輪以来52年ぶりのメダル獲得はならなかったが、4年後の表彰台の期待が膨らむ結果に、誰もが笑顔を爆発させた。
最後の1種目を残した時点での日本の順位は3位。このままいけば表彰台という好位置で最終種目に臨もうとしていた選手たちは「得点は気にしないで、あとは自分の演技をしよう」と声を掛けあった。
北村彩子コーチが「5人は所属も性格もバラバラだけど、良い雰囲気でまとまっている。個が強くて、仲が良い」と評する、今までの日本女子にないムードを持つチームだ。
全員が最高の演技を出しての4位に「感動した」。
メンバーは20歳の寺本明日香(中京大)を筆頭に、寺本より1学年下の村上茉愛(日体大)、18歳の内山由綺(スマイルクラブ)、そして杉原愛子(朝日生命)と宮川紗江(セインツクラブ)の16歳コンビ。若いチームであるだけに緊張が演技に影響を与えまいかという不安もよぎる中、5人は、颯爽とした表情で最終種目の平均台に向かった。過度の硬さは見られなかった。
平均台は、落下の危険性が高く、女子の4種目では最も神経を使う種目だ。
しかし、選手たちは強かった。不安を吹き飛ばすように、次々と技を成功させていった。
村上と杉原が安定感のある演技で着実に得点を重ねると、最後はキャプテンの寺本明日香が演技。ほとんどぐらつくことのない美しい姿勢と基本に忠実な演技で14.466を出すと、その瞬間、日本の4位入賞が決まった。
「4位でもすごくうれしい。結果がどうあれ、みんなが力を出し切ったので感動した。点数は見ていなかったですし。見てもしょうがないですから」
寺本の声は興奮で震えていた。