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「一番強い馬でも必ずしも勝てない」
武豊が今も悔しがるダービーとは。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byNaoya Sanuki
posted2016/05/23 11:00
「最初に乗った時からダービーを意識した」
いまからちょうど20年前の1996年「第63回日本ダービー」。1番人気で挑んだダンスインザダークと武豊は、万全の手ごたえで直線へ。残り400mで抜け出し、勝利を掴みかけたところで、外から猛追してきたフサイチコンコルドに差され、クビ差の2着に惜敗したのだった。
「ダンスインザダークは最初に乗った時からダービーを意識しましたし、弥生賞を勝った時には『よーし、これでダービーだ』とも思った。でも、それでも勝てなかった。競馬は難しいなと改めて思いました。一番強い馬でも必ずしも勝つわけではないんだって」
この時の悔しさを、喜びに変えたのが、2年後のスペシャルウィークだったのである。
15頭ものダービー馬と組んできた。
更に武騎手は、自身の手綱でダービーを制した5頭のほかにもダービー馬に乗っている。ダービーに出る前のタヤスツヨシ、キングカメハメハ、ディープスカイ、ロジユニヴァース。他の騎手が乗ってダービーを制した後に、ウイニングチケット、ナリタブライアン、ジャングルポケット、メイショウサムソン、ウオッカ、ワンアンドオンリーと実に15頭のダービー馬とコンビを組んでいるのだ。
3冠馬ナリタブライアンには、4歳の秋から騎乗。武騎手が騎乗した'96年3月の阪神大賞典で、1歳下の菊花賞馬マヤノトップガンと繰り広げた壮絶なデッドヒートは、今でも競馬ファンの語り草だ。
「ナリタブライアンは、やっぱりいい馬でしたね。他の馬に乗って、あの馬と同じレースに出ていても、正直勝てる気がしなかった……」
武騎手と共に駆けたダービー馬たち、そのインタビューのすべては、是非Number902号でご確認ください。