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桜花賞に「出なかった」馬の別格さ。
オークスは準備万端のチェッキーノ!

posted2016/05/21 08:00

 
桜花賞に「出なかった」馬の別格さ。オークスは準備万端のチェッキーノ!<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

桜花賞を回避する、というチェッキーノ陣営の決断は、オークスの距離への適性を確信していたからこそだ。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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NIKKAN SPORTS

 桜花賞馬ジュエラーが骨折で回避したことにより、第77回オークス(5月22日、東京芝2400m、3歳牝馬GI)は、俄然混戦模様になってきた。

 多くの馬にチャンスがあることは確かだが、やはり、心身ともにデリケートで難しい時期でありながら、ガチンコ勝負の桜花賞に駒を進め、なおかつ上位に来た馬を素直に評価すべきだろう。

 となると、桜花賞で僅か2センチの鼻差に惜敗したシンハライト(父ディープインパクト、栗東・石坂正厩舎)が最有力と見るべきか。3走前の紅梅ステークスと2走前のチューリップ賞を鼻差で勝っているように、接戦になっても最後まで勝負を捨てない根性娘だ。

 父がディープで、母の父もジャパンカップ優勝経験のあるシングスピールと、東京芝2400mは大歓迎。

 鞍上の池添謙一は、この春、シンハライトで臨んだ桜花賞を含め、GIで2着が3度と悔しい思いをしているだけに、デビュー前のゲート試験から跨っているこの馬とともに栄冠を手にしたい、という気持ちは強いだろう。スイープトウショウやショウナンパンドラといった名牝の背中を知り、牝馬でGI9勝を挙げている彼が、いかにして根性娘の闘志に火をつけるか注目したい。

桜花賞をスキップしたチェッキーノには戸崎。

 馬券的にはシンハライトの「一強」ムードになってしまうのかもしれないが、桜花賞で3着だったアットザシーサイド(父キングカメハメハ、栗東・浅見秀一厩舎)も、世代上位の力の持ち主だ。極端な馬体減さえなければ、ここでも上位争いをするだろう。

 筆者が個人的に、ジュエラーとの対決が見られず残念、と一番強く思っているのは、オークス一本に狙いを定めてきたチェッキーノ(父キングカメハメハ、美浦・藤沢和雄厩舎だ。

 トライアルのアネモネステークスを勝ったのに桜花賞をスキップし、またもトライアルのフローラステークスを制し、今度こそはと準備万端、乗り込んできた。全兄に2013年春のクラシックを沸かせたコディーノがいる良血で、名門・藤沢厩舎所属。ここが年明け3戦目。3馬身差の圧勝だった前走以上のパフォーマンスを発揮することは間違いない。

 前走で騎乗したクリストフ・ルメールに先約があったので、戸崎圭太が手綱をとることになった。先週につづいて「また戸崎か~」というシーンは充分あり得る。

【次ページ】 前から行く馬の中に有力馬がちらほら。

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