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「オフはゆっくり」のはずだった!?
畠山健介、英国ラグビー挑戦を語る。

posted2016/02/19 10:50

 
「オフはゆっくり」のはずだった!?畠山健介、英国ラグビー挑戦を語る。<Number Web> photograph by Kensuke Hatakeyama

ファルコンズのロッカールームで。デビュー戦となる2月12日のレスター戦では白星を飾った。日本人のプレミアシップ出場は岩渕健輔以来2人目。

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畠山健介

畠山健介Kensuke Hatakeyama

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Kensuke Hatakeyama

 昨年のラグビーW杯でエディー・ジャパンの「歴史的3勝」に大きく貢献した、日本代表FW畠山健介選手の連載、「畠山健介のHatake's room」がスタートします。
 記念すべき第1回は、W杯を終えて、サントリーサンゴリアスの一員としてトップリーグの厳しい戦いを繰り広げる中、日本人選手2人目となる「プレミアシップ挑戦」を決断するに至る経緯を、畠山選手本人が書き綴りました。どうぞお楽しみください。

 息継ぎなしで泳ぎ続けるスイマーはいない。僕はラグビー選手として、2008年4月にサントリー入社、サンゴリアスに入部し、その年の秋に代表デビュー、そしてW杯イヤーの今シーズン、これまでガムシャラに戦ってきた。さすがに僕も激しい戦いの中で、一息つきたくなった。

「今年のオフはゆっくりしよう」

 そう思っていた矢先に、突然話が舞い込んできた。

「英国のプレミアシップに興味があるか?」

 今年1月の初めだった。「興味があるか?」という問いに対して、「興味はある」。だが、「興味がある」程度に過ぎない。そこで戦ってやろうという野望も、プレミアシップでプレーしたいという目標もなかった。

通常なら「行かない」が、今回は少し違った。

 そもそも僕は日本が大好きだ。「ナショナリズム」という言葉を掲げるほど大それたものではないが、日本での生活に満足している。言葉、文化、食事、安全、医療、衛生、シャワーやトイレなどの水周り環境などと、僕や家族にとって何ら不自由はない。

 ラグビーというスポーツは世界中で行われている。そのおかげで、たくさんの国へ遠征に行ける。アジア、ヨーロッパ、太平洋の島国など、文化や言語が全く違う国々を訪ね、そこでの短期間の生活を経験してきて、「日本での生活が一番」と僕の脳は決めつけていた。

 ドメスティックな思考、価値観を持つ僕は、海外に行く必要性、必然性、価値を、旅行以外に見出せず、国内での生活に十分満足していた。

 2月末から始まる、スーパーラグビーに参戦する日本チームの「サンウルブズ」との契約は合意に至らなかった。そのため、オフシーズンは家族とゆっくり過ごし、平日はじっくりトレーニング、週末は友人の結婚式に出席し酒を飲み、それ以外の日はラグビーの普及活動に充てる。そんな今までできなかったオフシーズンにしようと予定を立てていた。

 そんな中での、突然の英国挑戦の連絡。すでにオフのスケジュールも具体的に立てて、日本での生活を満喫している僕の脳(思考)は、通常なら即決で「行かない」という結論を導き出すはずだったのが、今回は少し違った。後ろ髪を引かれるような感覚を持ち、すぐさまエージェント(代理人)に連絡し、詳細を確認した。

【次ページ】 英国挑戦の決め手は……。

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