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アガシが語った錦織圭の長所と課題。
「ショットメークは史上最高の一人」
posted2015/12/16 10:30
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph by
Hideki Sugiyama
1980年代のセンセーショナルなデビューから2006年の現役引退まで、アメリカのトッププレーヤーとして活躍、生涯グランドスラム(四大大会全制覇)も達成したアンドレ・アガシが、ブランド・アンバサダーを務めるロンジンの招きで来日した。'14年には東京・有明で行われたエキシビションマッチで錦織圭と対戦したこともあるレジェンドが、現在の男子テニスや錦織について縦横に語った。
――1年ぶりに来日した感想を。
アガシ「いつも何かしら理由をつくって、日本に帰ってこられるようにしています。去年は錦織との対戦があってプレッシャーを感じていましたが、今回は試合がないので重圧はありません(笑)」
――今の男子テニスをどう見ていますか。BIG4が相変わらず強く、特に2015年はノバク・ジョコビッチが他を圧倒しました。
「4人の支配が数年続いていますね。端的に言ってジョコビッチは強く、'16年は(四大大会で)全部勝つ可能性がもっとも高いシーズンになると思います。フェデラーも'15年は最高のシーズンでした。今の彼に重要なのは、(ライバルの)ジョコビッチとアンディ・マリーに勝つことだと思います。そして興味深いのがナダルです。シーズン後半に調子を上げましたね。キャリアを終えるにはまだ早すぎるので、彼が今後どんなプレーを見せるか注目しています」
ジョコビッチはロッカールームで倒す!?
――そのジョコビッチとあなたが対戦するとしたら? どう戦えば彼を倒せるでしょう。
「試合前に、ロッカールームでこてんぱんにしてしまうことですね。最もチャンスがあるのがその時だと思います(笑)」
――ジョコビッチは守りが強い選手ですが、あなたにも攻撃的なベースラインプレーヤーとしての強みがあります。
「ご存じの通り、私は前に入って攻撃的にプレーすることでコートを支配し、ポイントをコントロールしていました。ただジョコビッチは、コートの後ろにいてもコートを支配してしまうのです。ボールをライン上に打ってくるので、相手は後ろに位置を押し下げられてしまいます。コートの中に入ることを許してくれないのです。そこが大変なところですね」