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横浜スタジアムTOBの命運を握る?
“最大勢力”市民株主たちの「声」。

posted2015/11/27 10:50

 
横浜スタジアムTOBの命運を握る?“最大勢力”市民株主たちの「声」。<Number Web> photograph by AFLO

国有地である横浜公園内に立地する横浜スタジアム。中華街や元町など繁華街に隣接する絶好のロケーションである。

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日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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AFLO

 横浜DeNAベイスターズがついに、横浜スタジアムへの友好的TOB(株式公開買い付け)を開始した。すでに所有している40万株(保有割合5.75%)と合わせて50%超の株式を取得することがTOB成立の条件となるという(これに満たない場合は買い付けを行わない)。

 現在は、テレビ朝日、TBS、フジなどの在京テレビ局や横浜市、さらに横浜銀行や建設会社などが横浜スタジアムの主な株主となっているが、事実上の“最大株主”は別にいる。それが「オーナーズ・クラブ」と呼ばれる組織だ。

 横浜スタジアムは、川崎市を本拠地としていた大洋ホエールズの横浜移転計画に歩調を合わせる形で1978年に建設された。それに先立ち、「プロ野球を横浜に」という有志たちの呼びかけに応じて出資した市民株主の集まりがオーナーズ・クラブである。1口250万円×800口、合計で20億円もの資金が集まったことが横浜スタジアム建設の事実上の決め手となった。その後、横浜市や横浜銀行が増資という形で事後的に株主になったが、それでもなおオーナーズ・クラブの保有割合は全体の6割近くに上る。今回のTOBの成否に大きな影響力をもっていることは言うまでもない。

 オーナーズ・クラブはベイスターズによるTOBをどのように受け止めているのだろうか。竹村泰長会長と山田尚典理事の2人に話を聞くことができた。

買い付け価格よりもオーナーズシートが焦点!?

「球団による株式取得の意向を受けて理事会を開き、申し入れに対して好意的に協力することを決議しました。ただし当然ながら、クラブ会員の判断を拘束するものではありません。最終的には各株主が買い付けに応じるかどうかを決めることになります」(竹村氏)

 500人以上いる会員(法人を含む)は、どのような判断を下すのか。ポイントになりそうなのが「買い付け価格」と「オーナーズシート」の2つである。

 オーナーズ・クラブ会員が球場建設に際して出資した1口250万円の内訳は、1株あたり500円×5000株。ベイスターズは第三者機関による査定の結果として、1株あたり1500円の買い付け価格を設定している。つまり、買い付けに応じれば3倍の価格で株を売ることができる計算だ。

 一方で、これまで受け取ることができた配当金(年間10万円超)や議決権など、株主でなくなることによって失うものも当然ある。特に多くのクラブ会員が懸念しているのが、1口あたり1席(合計800席)割り当てられているオーナーズシート(特別優待席)の扱いだ。

【次ページ】 横浜スタジアムの所有権は、そもそも横浜市に!?

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