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横浜スタジアムTOBの命運を握る?
“最大勢力”市民株主たちの「声」。 

text by

日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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posted2015/11/27 10:50

横浜スタジアムTOBの命運を握る?“最大勢力”市民株主たちの「声」。<Number Web> photograph by AFLO

国有地である横浜公園内に立地する横浜スタジアム。中華街や元町など繁華街に隣接する絶好のロケーションである。

これまでの親会社とまったくことなるDeNA。

 山田氏が話を引き継ぐ。

「38年前の目的がようやく達成される思いです。私自身は株を売ることに関して、何の未練も心残りもありません。1500円は安いという人もいますが、客観的に算出された範囲の額ですから不当な値段だとは思わない。むしろあまりに高い価格を提示された方が不安になりますね。球団は黒字にならなきゃいけないんです。赤字になるような無理な買い付け価格だったら売らないかもしれません」

 応募期間は始まったばかりでTOBの成否は不透明だが、「友好的」と銘打つことができている以上は一定の勝算があるものと推測される。長らく球団と球場の一体経営は困難とされ、結果として赤字にあえぐ球団が身売りを繰り返してきた過去から考えれば、参入からわずか4年で一体経営実現に道をつけたDeNAは、大きな仕事をやってのけたと言えるだろう。

「今までのマルハ、大洋、TBSと、DeNAとは、まったく姿勢が違うと感じます。4年という短い期間ながら、横浜の地で信用を醸成したことが今回のTOBにつながっていると思います」(竹村氏)

 山田氏も「野球をやるからには是非とも勝ってもらいたいというのが終始一貫した願い。もう横浜から逃げ出せませんからね」と笑みを浮かべる。

 健全な経営と強いチームという理想の両輪を手に入れることはできるのか。ベイスターズの今後を大きく左右するTOBの結果は、来年1月中に判明する予定だ。

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