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宇佐美貴史が「怪物」と評す19歳。
U-22をリオ五輪へ導く井手口陽介。
posted2015/10/24 10:40
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
「能力は怪物っすよ」
宇佐美貴史はかつては長岡京市が生んだ天才と呼ばれたが、その天才から「怪物」と称されているのが、井手口陽介である。
ガンバ大阪で今シーズン、ボランチとして出番を増やして存在感を高めてきており、後輩でU-18日本代表の堂安律からは尊敬の念で見られている。
「井手口さんは、昨年U-19アジア選手権にレギュラーで出てたじゃないですか。それってすごいことやし、プレーも半端なくうまい。ほんま、ぼくの憧れです」
後輩が熱い視線を送る井手口とは、どんな選手なのか。
ガンバジュニアユース時代、中3でユースの試合に出場。2014年3月31日、ユースからトップチームに昇格。ユースから飛び級のトップ昇格は宇佐美貴史以来クラブ史上5人目だ。リーグ戦のデビューは今シーズン4月29日の松本山雅戦で、今シーズンはリーグ戦6試合に出場している。まだ荒削りだが攻撃が得意なボランチで、パスセンスに優れている。171cmと決して大きくはないが、恐がらずに前へ飛び出していく姿勢には勇気を感じる。重心が低く、体が強いので当たりの強い守備ができるし、ボールを奪取する力もある。しかも、遠藤保仁と同様に厳しい状況に動ぜず、ハートが滅法強い。
遠藤保仁や今野泰幸は「追い越す」対象。
今野泰幸はいう。
「パスがうまいし、運動量があるし、前に出ていく力もある。気持ちも強いね。俺が19歳の時とは違って能力が半端なく高い。間違いなくガンバの将来を背負っていく選手」
元日本代表のボランチに絶賛されているが、当の本人は至って謙虚だ。
「ガンバで試合に出られるようになったけど、まだまだです。新潟戦も簡単なミスで失点に繋がってしまった。ただ、試合に出ていろいろ経験していけばミスは減らせると思うし、自分のいいところをもっと出せるようになれると思います。ヤットさんや今野さんというすごいボランチがいるんで、いいところを盗んで早く追い付き追い越せるようにしていきたいですね」