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リディア・コの偉業。
~女子ゴルフ、恐るべき18歳~ 

text by

小川勝

小川勝Masaru Ogawa

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2015/05/29 10:00

リディア・コの偉業。~女子ゴルフ、恐るべき18歳~<Number Web> photograph by Getty Images

4月26日のスインギング・スカートLPGAクラシックでこの大会を連覇、早くもLPGA7勝目をあげたリディア・コ。

 女子ゴルフの日本ツアーでは勝みなみ、永井花奈といった10代のアマチュア選手が活躍しているが、米女子ツアーでは今、18歳の韓国系ニュージーランド人が、世界のトップを争っている。韓国で生まれ、6歳でニュージーランドに移住したリディア・コである。

 2012年8月、アマチュアのまま米ツアー史上最年少の15歳でCNカナディアン女子オープンに優勝、2013年10月、16歳でプロに転向した。実質的なプロ1年目となった昨年、3勝を挙げて賞金ランキングでも3位。賞金額は208万9033ドルだった。昨年の平均的なレート、105円で換算すると約2億2000万円である。17歳で年間200万ドル以上を稼いだプロスポーツ選手というのは、あらゆるスポーツを通じて、男子選手を含めてもほとんどいないはずだ。ニュージーランドの高校を卒業して、今春から韓国の私立大学のオンライン講座で勉強しているという。

ソレンスタムと並ぶ29ラウンド連続アンダーパー記録。

 その彼女が、今季すでにひとつ、快記録を樹立した。29ラウンド連続アンダーパーという米女子ツアー・タイ記録である。記録の保持者は、メジャー10勝を含む米女子ツアー72勝を果たしたレジェンド、アニカ・ソレンスタム。記録が残っている1992年以降で、ソレンスタムは2004年に29ラウンド連続アンダーパーを記録していた。今季それに、10代の選手が、肩を並べたのである。

 '04年のソレンスタムと言えば、年間の平均スコアで米女子ツアー史上最少の68.69を記録、年間8勝を挙げて賞金女王という、まさに全盛期だった。この年の10月で34歳。このあたりが、技術と経験、そして体力が絶妙にかみ合った、最もいい時期だったのかもしれない。

 リディア・コが記録を達成したのは、別表に示した通り、昨季最終戦の「CMEグループ・ツアー選手権」('14年11月20日~23日)から、今季のメジャー第1戦「ANAインスピレーション」('15年4月2日~5日)の1日目まで、足かけ8試合。彼女は'97年4月24日生まれだから、タイ記録を達成した時点では、まだ17歳だった。ソレンスタムのような伝説的な選手が、34歳の年に達成した記録に、17歳で並んでしまったのである。ソレンスタムがゴルフを始めたのは12歳で、コは5歳で始めているといった具合に、最近は競技開始年齢が下がっているとはいえ、それにしても、17歳でこの記録は、まったく驚くべきものだ。

 この若さで、これほど安定したスコアが出せる、そのゴルフの内容を見ていくと、これまた、なかなか興味深いものがある。

【次ページ】 パーオン率とサンドセーブ率が示す抜群のアプローチ。

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