Sports Graphic NumberBACK NUMBER

<黄金世代対談> 稲本潤一×小野伸二 「僕ら35歳のサッカー少年。」 

text by

細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

PROFILE

photograph byAsami Enomoto

posted2015/03/13 11:50

黄金世代の中心を担い、欧州で、日本代表で活躍した
ベテランたちが、J2・札幌の地で新シーズンを迎える。
初めて同じクラブで戦う2人が、サッカー観を語りあった。

3月5日に左ひざ半月板損傷の手術を行なった小野伸二。
天才の1日も早い復帰が待たれる中、873号の特集記事を公開します!

 1979年度に生を受けたいわゆる“黄金世代”の存在感は、今も日本サッカー界の中心にある。日本代表MFの遠藤保仁はガンバ大阪の司令塔として昨季3冠を達成し、小笠原満男は鹿島アントラーズの象徴的存在として健在ぶりを誇示。同じく鹿島の本山雅志もSC相模原の高原直泰も、それぞれの場所でユニフォームを纏い、新たなシーズンを迎えようとしている。

 J2のコンサドーレ札幌には、小野伸二と稲本潤一がいる。黄金世代においても中心的なポジションにいた2人は、2月中旬、観光客でごった返す沖縄のリゾートホテルにいた。夕暮れ時のレストランに揃って現れた彼らの表情には疲れの色も見えるが、無理もない。1月下旬からスタートしたチームの1次キャンプは、既に3週間の日程を経て終盤を迎えていた。

 南国の風情漂う部屋で背もたれの大きな椅子に腰を下ろした2人は、まずは札幌から駆け付けたNHKの取材に応じた。昨年末から大きな話題となった稲本の加入について、小野が経緯を説明する。

「35歳で同じチームになって、特別な縁を感じますね」

「(野々村芳和)社長から連絡があったので、イナに電話して『札幌がオファーしたいみたいだから頭に入れておいてほしい』と伝えました。それが実現して嬉しかったし、このキャンプでも大きなプラス材料をもたらしてくれたと感じてます。僕自身、同い年だから負けられないという気持ちもあるし、集中力やモチベーションはさらに上がりますよね。お互いに、刺激し合いながらやれているんじゃないかなと思います」

 これに呼応して、稲本が言う。

「子どもの頃から代表でしか一緒にやっていなかったので、35歳になって同じチームになることに特別な縁を感じますね。伸二は子どもの頃から刺激し合える存在。もちろんお互いに負けん気もあるので、それがチームにとってプラスになれば」

 テレビ番組の演出らしくフリップを手渡されると、稲本は「書きたくないねんな。字の汚さがバレる」と笑い、小野も「言葉で答えるほうが好きなんだよな」と苦笑いを浮かべた。それでも、「お互いのストロングポイントは?」という問いに対しては揃って深く考え込み、しばらくしてペンを走らせる。「汚い字やな」。おどけてそう繰り返しながら、稲本が先に戦友を評した。

【次ページ】 「とにかくうまい」小野、「ロングフィード」の稲本。

1 2 3 NEXT
1/3ページ

ページトップ