サッカーの尻尾BACK NUMBER
リスボンで評価が分かれる田中順也。
突出する、練習でのあるデータとは。
posted2015/03/11 16:30
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
AFLO
スポルティング・リスボンの田中順也の今シーズンについて、現地ポルトガルでの評価はふたつに分かれている。
レコルド紙のアントニオ・ベルナルディーノ記者は出場時間とゴール数という結果を見て「チャンスはあったがタナカはそれを活かせなかった。決定機も多かったが、点に繋げられない」と厳しい評価を下す。
数字ですべてが評価される世界だ。なによりゴール数がその最大の判断材料となるフォワードであることを考慮すると、今季リーグ戦3得点の田中は、このような低い評価になってもおかしくはないだろう。
一方で根強い、FW田中を評価する声。
しかしその一方で、FWとしての田中に一定の評価をする声も根強くある。
ア・ボラ紙のヌーノ・サライバ・サントス記者は「タナカはライオンのように、ハードワークをし続けることができる。運も彼に味方していない面もある」と好意的な見方をする。
テレビ局SICのヌーノ・ルスも「出場時間に対する得点率は悪くない。スリマニ、モンテーロの中では、むしろ最も効率的に結果を出しているFWだ」と語る。
リーグ、リーグカップ、ポルトガルカップの3大会で得点を決めていることも評価の対象になっている。
スポルティングのマルコ・シルバ監督も田中を評価し、「タナカの努力を無視することはできない」と、リーグ戦やヨーロッパリーグのヴォルフスブルク戦など、重要な試合で先発に起用、チャンスを与えてきた。
「だからこそ、決めなければならなかったんです、あの試合は。チャンスだっただけに……」
田中はそう振り返る。