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再建遠いミラン、問題は2人の老人?
一貫性のない安値補強は終わるのか。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2015/02/12 10:40

再建遠いミラン、問題は2人の老人?一貫性のない安値補強は終わるのか。<Number Web> photograph by AFLO

ミランで長年にわたり絶大な権力を握るガッリアーニ副社長兼CEO。CLを5回、スクデットを8回獲得した手腕も最近は翳りがち。晩節を飾ることはできるのか。

 双六でいうなら、ACミランは“あがり”のクラブだった。

 欧州サッカー界の頂点に君臨し、世界最強を誇った赤と黒のユニフォームは、あらゆる選手が憧れるステータス・シンボルだった。

 しかし2010年代の今、ミランは深刻な低迷状態にある。

 チーム再建の切り札として、レジェンド・プレーヤーであるインザーギを監督に招聘した今季も苦戦は続く。スクデット4連覇を目指す王者ユベントスとそれを追うローマに次ぐ選手人件費総額9400万ユーロを計上するミランが、EL出場権争いにも四苦八苦しているのだ。

 昨季、成績不振を受けてアッレグリ監督(現ユベントス)と、その後を継いだセードルフが解任された。今季もEL出場圏を逃せば、インザーギの退任も濃厚と現地紙は見ている。

 チームの競争力低下の原因が一貫性のない補強策にあることは、以前から指摘されている。問題は“なぜ、それが一向に改善されないままなのか”ということだ。

 ミランの名門再建を阻む真の原因は、どこにあるのか。

最近のミランは、“移籍金0”補強がすっかり定着。

“老いぼれ経営陣はいい加減引っ込め!”

“ガッリアーニは辞めろ!”

 10人のラツィオに敗れた先月27日のコッパイタリア準々決勝で、サン・シーロのクルヴァ・スッド(※熱狂的サポーターが集う南側ゴール裏席)には、ミランのフロントを糾弾し、ガッリアーニ副会長の辞任を要求する横断幕がズラリと並んだ。チーム編成を一手に仕切る副会長の責任を問う声は、年ごとに高まっている。

 ガッリアーニが進めた近年の補強戦略によって、ミランは“移籍金0プレーヤー”とレンタル選手のチームになった。

 獲得したい選手がいたら、所属クラブとの契約期限切れを待ち、移籍金のコストを発生させない代わりに選手当人には高給を約束する。そうやってガッリアーニは、昨冬にはCSKAからMF本田圭佑を、昨夏はパリSGからFWメネズとDFアレックスを獲った。主将モントリーボも、'12年夏にタダで獲得された口だ。

 破格の安値か無償レンタルで集められた選手も多い。期間や保有権買取りのオプション内容に差はあるが、今冬獲得した6人のうち、FWチェルチやFWデストロら4人はレンタル契約だ。

【次ページ】 オーナーの厳しい経済状況に、ミランの赤字が追い討ち。

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