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キューバ市場がついに一挙開放か?
国交正常化が野球界に与える「影響」。 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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posted2015/01/05 10:30

キューバ市場がついに一挙開放か?国交正常化が野球界に与える「影響」。<Number Web> photograph by Getty Images

2014年8月に7年総額7250万ドルでレッドソックスと契約した、ルスネイ・カスティーヨ選手。キューバから亡命しての入団で、2014年シーズンは10試合に出場、36打数12安打、打率.333、盗塁3とその才能の片鱗を見せた。

 2015年はメジャー球界にとてつもないビッグウェーブが巻き起こりそうだ。

 米国政府は12月17日、長年にわたり国交断絶政策および経済制裁を続けてきたキューバとの間で、国交正常化に向けた交渉を開始していくことを明らかにした。

 このまま順調に交渉が進み国交正常化された暁には、これまで「亡命」という形でしか契約できなかったキューバ選手に対して、メジャーリーグの門戸が完全開放されることになる。

 ただでさえ、メジャー球界におけるキューバ選手旋風は凄まじいものがある。次から次へと大型契約を結び、それらのほとんどの選手が短期間でメジャーに昇格し、活躍を続けている。

 ヤシエル・プイグ選手やホセ・アブレイユ選手などに代表されるように、メジャー昇格と同時に主力クラスの活躍をする選手も続出し、今やキューバ市場は日本以上に注目されているといっていい。今年8月にもレッドソックスがルスネイ・カスティーヨ選手と7年、7250万ドルの大型契約を結ぶなど、キューバ人気はいまなお、うなぎ登りの状況だ。

キューバは第2のドミニカ、ベネズエラとなる。

 キューバ政府は昨年9月に、自国スポーツ選手が国外(国交のある国に限る)でのプロ契約を認める政策を打ち出した。その結果、今シーズンはユリエスキ・グリエル選手、フレデリク・セペダ選手、アルフレド・デスパイネ選手と、キューバ代表チームの主力選手たちがNPB入りを果たした。

 しかしその一方で、前述のように大物有望選手たちの、国交のないアメリカ亡命を経てのメジャーリーグ移籍は沈静化する気配を見せない。

 2012年以降亡命したキューバ人選手は19名(うち2013年は13名)を数え、そのうち8選手がすでにメジャーデビューを果たしている。

 母国とは比較にならない大型年俸を期待できるのだから、命の危険を顧みることなく亡命を選択する(とはいえ最近はよりスムーズな亡命方法が出現し始めているようだが)選手が続出しても仕方がないことだろう。

 そんな中、米国とキューバの間で国交が正常化し、選手のメジャー移籍が自由化されてしまったら、キューバ人選手にとってNPBが魅力的な移籍先でなくなってしまうのは明白だ。

 間違いなくキューバは“第2のドミニカ、ベネズエラ”の道を歩むだろう。

【次ページ】 アカデミー建設による、選手育成・獲得のシステム化。

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