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ストーヴリーグと新勢力図。
~大物選手の移籍とイチローの去就~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2015/01/10 10:50

ストーヴリーグと新勢力図。~大物選手の移籍とイチローの去就~<Number Web> photograph by Getty Images

ヤンキースをフリーエージェントとなったイチロー。移籍先にマーリンズやオリオールズの名前が浮上してはいるが……。

 イチロー、マックス・シャーザー、ジェームズ・シールズ、青木宣親……有力FA選手の行く先はなかなか決まらないが、2015年シーズンに向けての各球団の補強はおおよそのアウトラインが見えてきた。

 派手な補強をしたのは、なんといってもカブスだろう。ご承知のとおり、FA市場最大の目玉だったジョン・レスターと、総額1億5500万ドル(うち契約金が3000万ドル)の6年契約を結んだのだ。

 1984年1月7日生まれのレスターは、つい先日31歳の誕生日を迎えたばかりだ。つまりカブスは、31歳から36歳までの6年間に対して、田中将大の年俸総額を超える巨費を投じることにしたわけである。

 レスターは、レッドソックス時代に2度、ワールドシリーズのチャンピオンリングを手にした。オールスターには3度出場しているし、2014年の成績も16勝11敗、防御率2.46という申し分ないものだった。

 しかもカブスは、レスターのレッドソックス時代の女房役デヴィッド・ロス捕手(FA)とも総額500万ドルの2年契約を結び、新指揮官に知将ジョー・マッドンを迎えた。地元シカゴはもちろん大喜びだ。気の早い向きは「107年ぶりのワールドシリーズ制覇」などと口走っているが、これは時期尚早だろう。もちろん、子飼いの若手がめざましい成長を見せてくれれば話は別だが。

ホワイトソックスも渋い補強に成功。

 カブスほど派手ではないが、同じシカゴのホワイトソックスも渋い補強に成功した。メルキー・カブレラ(4200万ドル/3年)、アダム・ラローシュ(2500万ドル/2年)、デヴィッド・ロバートソン(4600万ドル/4年)といった即戦力を、まずまずの投資額でそろえることができたからだ。

 ヒントはたぶん、'14年に同地区(ア・リーグ中地区)で旋風を巻き起こし、ア・リーグの覇者となったロイヤルズのチーム作りだろう。強力な先発投手陣や破壊力のある打線がなくとも、タフなブルペンと堅守と走力が備われば、ペナント争いは十分に可能なのだ。監督のロビン・ヴェンチュラはとくに能力が高いわけではないが、就任初年度の'12年(85勝77敗)の采配に立ち返れば、かなりの上積みが期待できるのではないか。

【次ページ】 頻繁に起こったトレードと、イチローの行方。

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