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正念場のフェド杯で必要な、クルム伊達というピース。
~2部昇格に向けて精神的支柱を~ 

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秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

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posted2014/12/26 10:00

正念場のフェド杯で必要な、クルム伊達というピース。~2部昇格に向けて精神的支柱を~<Number Web> photograph by Getty Images

2014年の全米では、複でチェコのストリコバと快進撃を見せ、キャリア初となる準決勝進出。

 女子国別対抗戦フェド杯の日本代表が正念場を迎えている。日本は'14年、ワールドグループ(WG)2部で1回戦敗退、入れ替え戦でも敗れて降格、'15年はアジア/オセアニアの地域予選に回る。8カ国で争う地域予選は2月4日から中国・広州で開催。優勝すれば4月のWG2部入れ替え戦進出となる。国別ランキングで日本は18位と出場国の最上位だが、情勢は楽観できない。

 日本に次ぐ21位のタイは'14年の優勝国、22位のカザフスタンはツアーで活躍する選手を複数そろえる。中国はここ数年ベストメンバーを招集できていないが、底力はあり、地元開催も有利に働くだろう。日本の主力は'14年にツアー初優勝を飾った奈良くるみ(世界ランク44位)だが、フェド杯では単複通算3勝4敗、土居美咲も2勝7敗と実績は物足りない。'13年まで22勝の森田あゆみは腰痛のリハビリ中で復帰のメドが立っていない。

単複とも戦力として計算できる伊達の存在感は大きい。

 世界ランク89位で国内2番手のクルム伊達公子は'13年のWG1回戦、ロシア戦を最後に、代表を離れている。個人戦を優先させているのと、村上武資前監督、吉田友佳現監督が若手中心の編成を目指したことから'14年は招集されなかった。ロシア戦は右アキレス腱痛を押してシングルスに出場したが2連敗、ブログに「私が戦うべきじゃなかった」と痛切な思いを記した。結果的にこの起用がチームにきしみを生じさせることにもなった。ただ、今回はベテランの力を借りるべきではないか。単2試合、複1試合を連日こなす強行日程で、単複とも戦力として計算できる伊達の存在は大きい。身も蓋もない言い方になるが、その名前だけでもライバル国に威圧感を与えるだろう。

 若手主体の方針を転換するのではない。敗退すれば、再昇格は早くても'17年になる。奈良など今後の代表チームを背負う選手にWGで経験を積ませ、個人戦の活躍につなげる意味でも、チームの総力を挙げて昇格を目指すべきだ。

 伊達は以前、「若い選手たちの中でどこまでできるか、それ自体がモチベーションになっている」と話した。個人戦を念頭に置いた言葉だが、その意欲をチーム戦に振り向けることもできるはずだ。代表の精神的支柱としてどこまでできるか、不惑を過ぎたベテランには、これも大きなチャレンジとなるのではないか。

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