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京大・平井、東工大・松井。
関西勢と伏兵で考える箱根駅伝。 

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小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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photograph byNanae Suzuki

posted2014/12/08 10:30

京大・平井、東工大・松井。関西勢と伏兵で考える箱根駅伝。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

全日本大学駅伝1区で好走を見せた京大・平井健太郎。

 箱根駅伝は、形式上、関東の大学1位を決める大会であって、大学日本一を決める大会ではない。大学日本一を決める大会は、11月に行なわれている全日本大学駅伝だ。

 今年の全日本大学駅伝には京都大が2度目の出場を果たし、1区を走ったエースの平井健太郎が区間4位で、全日本インカレ1万m2位の実力を見せつける走りを展開した。全国には大学入学後に、さまざまな成長を見せる選手がいるものだと、陸上競技のファンをあっと言わせた大会となった。

 とは言うものの、近年、全国の有力な大学生選手は関東の大学に集中している。箱根駅伝が事実上の大学日本一決定戦になっていることは間違いない。全日本大学駅伝の歴代優勝校を見ても、関東以外の大学が優勝したのは1986年の京都産業大が最後で、以後28年間、ずっと関東の大学が優勝している。

 '70年に始まった全日本大学駅伝は、'87年度まで1月中旬から下旬の日曜日、つまり箱根駅伝の約半月後に行なわれていた。1月開催の時代には、関東以外の大学が通算4回('79、'81、'82年=福岡大、'86年=京都産業大)優勝している。これはやはり、関東勢にとっては箱根駅伝のあとにもう一度最高の力を出すことは難しかった時代だったと言える。11月開催になった'88年度以降は、すべて関東の大学が勝っている。最近10年間に限ってみれば関東勢以外では'08年、第一工業大の7位が最高の順位だ。

1996年の京都産業大は、全日本で3位と好走。

 関東勢の優位は確かなことだが、それでも近年、関東以外の大学で、箱根駅伝の強豪校と互角に戦えるチームがまったくなかったわけではない。'88年以降で注目すべき成果を挙げたのは、'96年の全日本大学駅伝で3位になった京都産業大だ。これは11月開催の同大会の中で、関東勢以外では最高の順位。レースの結果を詳しく見て行くと、この時の京都産業大が箱根駅伝に出場していたら、やはり同じ3位は争うことができたと考えるに十分な結果を出しているのである。

 この年、京都産業大は神奈川大、山梨学院大に次いでの3位だった。出場した8人の選手の中に、個人でも大学のトップレベルの実績を持つ選手はいなかった。1区を走った主将の荒川大作は広島の呉昭和高という新興高校の出身で、関西インカレではハーフマラソンで優勝していたが、全日本インカレでは8位以内に入っていない。しかし全日本大学駅伝では、1区で44分15秒、区間2位の快走を見せた。同じ1区には、2年後の箱根駅伝で「花の2区」の区間新記録を作ることになる三代直樹(順大)もいたが、まだ2年生だった三代はこの時44分55秒で区間8位だった。

【次ページ】 神奈川大と山梨学院大という「2強」に次ぐ成績。

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