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WGPの出場最低年齢はいったい何歳が適切なのか。
~“特例で16歳未満”に再変更~ 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2014/09/13 10:30

WGPの出場最低年齢はいったい何歳が適切なのか。~“特例で16歳未満”に再変更~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

2008年のイギリスGPで、マルケス(右)はわずか15歳126日で3位となり表彰台に立った。

 8月中旬、国際モーターサイクリズム連盟(FIM)は、2015年以降のWGPモト3クラスの出場最低年齢について、現状の16歳から条件付きで16歳未満に変更すると発表した。

 その条件とは、スペインとフランスで開催されているFIM・CEVレプソル国際選手権(CEV)のモト3クラスでタイトルを獲得した選手に限るというもの。今季、同シリーズで圧倒的な強さを見せ、来季からWGP参戦を予定する15歳のF・クワッタハッホを走らせるために出来たルールと言われている。

 FIMは出場最低年齢を設けているオリンピックに倣い、2010年にモト3の出場最低年齢を15歳から16歳に引き上げた。それが実情に合っていないのは明らかで、この数年はCEVの前身であるスペイン選手権に16歳になるまで出場し、シーズン途中からWGPにスイッチするケースが増えていた。

 こうした動きが活発になってきた背景には、昨年、史上最年少記録の20歳でモトGPクラスのチャンピオンに輝いたM・マルケスの存在がある。

最近のレース界のルール作りは“いい加減”。

 マルケスはホンダが125cc時代から目をつけて大成させた選手である。この成功をきっかけに、ワークスチームや有力チームの青田刈りとも言える若手選手の囲い込みが活発になった。

 そのひとりが今季モト3で大活躍中のJ・ミラーで、マルケスに続く逸材としてクワッタハッホとともに将来を嘱望されている。今回の特例での出場最低年齢引き下げの発表は、そうした動きと無関係ではなさそうだ。

 最近のレース界のルール作りは、良く言えばフレキシブル、厳しい言い方をすれば“いい加減”である。現在の世界のレース界の実情を鑑みれば、個人的には出場最低年齢は以前のように15歳に引き下げても良いと思う。しかし、16歳に引き上げた理由が確固たるものならば、特例など必要ないし、16歳になるまでチームも本人も我慢しなくてはならない。そのあたりが曖昧なままのルール変更に思えてならないのだ。

 いずれにしても、出場最低年齢は選手たちにとっては、その後の成長やキャリアにもかかわる重要なことである。そのときどきの気分でFIMに決められては、選手もいい迷惑だろう。

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