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今季のモトGPで白熱のレースが続く理由。
~2強が呑んだ不利なルール改正~ 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2014/08/08 10:00

今季のモトGPで白熱のレースが続く理由。~2強が呑んだ不利なルール改正~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

超満員の観客で、熱気に包まれたカタロニアGP。地元の英雄、マルケス効果は凄まじい。

 今年のモトGPクラスは、前半戦を終えてM・マルケスが9戦9勝と圧倒的な強さを発揮している。その強さがマルケスと並び“4強”と言われるライバルたちを刺激し、エキサイティングな戦いの連続となっている。

 ランク2位につけるD・ペドロサ、3位のV・ロッシ、そして5位のJ・ロレンソ。彼らとマルケスの4台が優勝争いを繰り広げたカタロニアGPのような手に汗握るレースもあった。マルケスの連勝記録は、まさに“メークドラマ”の連続で、シーズンを盛り上げている。さらに、今年はセカンドグループ以下の戦いも白熱。ファンにとって、たまらないシーズンになっている。

 その最大の要因は接戦を導くルール作りが功を奏していることにある。まず、ワークスマシンに対しては、厳しい燃費制限、シーズン中のエンジン開発禁止、使用エンジン数の制限を実施。それによりワークス間の格差を解消した。次の段階として、ワークス以外のマシンにワークス勢よりハイグリップなタイヤの使用を認めるなど、様々なアドバンテージを与えることで全体的な格差が縮まった。

低迷するドゥカティにアドバンテージを与える特例。

 加えて今年は、ワークスながら成績が低迷するドゥカティに対し、ワークス以外と同様のアドバンテージを与える特別ルールを実施。その結果、A・ドビツィオーゾがランク4位と、ホンダvs.ヤマハの2強対決にドゥカティが割り込むことになった。

 グランプリは、イコールコンディションのもと各チームが開発競争するのが基本である。その観点からすれば、レースを面白くするためのハンディキャップルールはナンセンスと言える。しかし、そんなことを言っていたら、勝てないメーカーが次々に撤退していく。そこでレースを続けていきたいホンダとヤマハは、グランプリを運営統括するドルナの「興行として面白いレースにしたい」という要求を呑むことにした。

 そういった政治的な背景はあったにせよ、レースは間違いなく面白い。そして、いろんなことを教えてくれる。それは、速い選手は何に乗っても速く、どんなに厳しい制約を課してもワークスマシンはどんどん進化するという事実である。後半戦はどんな戦いが見られるだろうか。楽しみで仕方がない。

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