プロ野球亭日乗BACK NUMBER

藤浪晋太郎の課題は「投手の打席」。
巨人との頂上決戦で阪神が失った物。 

text by

鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

PROFILE

photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/08/29 16:30

藤浪晋太郎の課題は「投手の打席」。巨人との頂上決戦で阪神が失った物。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

1年目の昨年、10勝6敗防御率2.75という数字を残した藤浪晋太郎だが、今年はここまで8勝7敗防御率3.67と苦しんでいる。

 1.5ゲーム差で激突したGT首位決戦は、1勝1敗で迎えた第3戦を巨人が制し、結果的には阪神の“自力優勝消滅”という形で終わった。

 3連戦の初戦と2戦目は消耗戦といってもいい試合展開だった。

 8月26日の第1戦は、先発・メッセンジャーの好投から抑えのエース・呉昇桓を投入という阪神の勝ちパターン。ところが呉の乱調で巨人・原辰徳監督が「奇跡的」と称したまさかの逆転勝ちを収めた。

 ところが第2戦はまったく逆の展開となった。巨人が初回の村田修一の3ランで主導権を握り、山口鉄也-マシソンという勝ちパターンに持ち込んだものの、その2人が阪神打線につかまった。そして最後はゴメスの一発で決着と、首位攻防戦に相応しい劇的展開だった。

 そして1勝1敗で迎えた第3戦。結果的には阪神先発の藤浪晋太郎の「投手の打席」に対する意識の甘さが明暗を分けることになった。

不用意なストレートで澤村にタイムリー二塁打を浴びる。

 勝負は2、3回の藤浪の投球と打席に集約される。

 まず2回のマウンドだ。

 2死一塁から藤浪が投手の澤村拓一に浴びたタイムリー二塁打は不用意のひと言に尽きる。初球の149kmの真っすぐが低めに外れた2球目。スッとストライクをとりにいったストレートがド真ん中に入った。これを痛打され、打球は左中間を破り一塁走者が一気に生還。そこからさらに3連打を浴びてこの回3点を失った。

「藤浪はああいうところがある」

 こう嘆いたのは投手コーチの中西清起だった。

「澤村に対して甘い。スキを見せたらダメ。全力で抑えにいかないと。去年からそうなんだけど8番、9番に手を抜くところがある」

 和田豊監督も「晋太郎の投手としての課題が出た」と立ち上がりの悪さと集中力が途切れる悪癖に首をひねった。

【次ページ】 藤浪のバント失敗に思い出す、大投手のエピソード。

<< BACK 1 2 3 NEXT >>
1/3ページ
関連キーワード
藤浪晋太郎
阪神タイガース
読売ジャイアンツ
原辰徳
呉昇桓
和田豊
澤村拓一
阿部慎之助

ページトップ