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入江陵介の笑顔がパンパシで再び!
五輪メダリスト、復活までの軌跡。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byYohei Osada/AFLO SPORT

posted2014/08/14 10:30

入江陵介の笑顔がパンパシで再び!五輪メダリスト、復活までの軌跡。<Number Web> photograph by Yohei Osada/AFLO SPORT

「2006年に初めて代表デビューした大会ですが、一度も金メダルを取ったことがないので、金を目指して頑張ります」と大会への抱負を語った入江。

 いつも笑顔だ。

 4月の日本選手権も6月のジャパンオープンも、いつも笑顔だった。そんな風に記憶されているほど、今シーズン、競泳背泳ぎの入江陵介は楽しそうであり、充実しているようにも感じられる。

 パンパシフィック水泳選手権へ向けての7月末のイベントでも、「個人でも金メダルを目指すし、メドレーリレーでも金メダルを本気で狙う」と力強く語っていた。

 パンパシフィック水泳選手権とは、環太平洋地域の国々による4年に一度の国際大会で、今回は8月21日から25日にかけてオーストラリア・ゴールドコーストで行なわれる。ロンドン五輪のメダル総数トップ4であったアメリカ、日本、中国、オーストラリアという強豪の対決とあって、2年後のリオデジャネイロ五輪へ向けてのチェックの場とも言える注目の大会である。その大会へ向けての抱負もまた、入江の現在を表しているようだ。

 ロンドン五輪では銀2、銅1と計3つのメダルを獲得したのをはじめ、いまや誰もが認める日本競泳界の第一人者の入江だが、実はその足どりの中で、何度も挫折を味わってきた。

実は、入江にとって悔しい思い出が多いパンパシ。

 パンパシフィック水泳選手権と言えば、2006年に初めて出場したときも悔しい思いをしている。入江はアーロン・ピアソル(アメリカ)が世界新記録で優勝した200m決勝で4位と健闘したのだが、レース後には涙を流す。この大会は翌年の世界選手権代表選考を兼ねていたのだが、派遣標準記録までわずか0秒26及ばず日本代表入りを逃したからである。

 その年の12月、入江はアジア大会で自身の持つ高校記録を更新して金メダルを獲得する。

「パンパシの悔しさというのは、そのあとのバネになりましたね」

 後のインタビューで語ったように、挫折があってのアジア大会優勝だった。

 2008年の北京五輪もまた、苦い思い出の残る大会だ。

 アジア大会優勝後、何度も自己ベストを更新。メダルを期待される立場で迎えながら、200mで5位に終わる。内容も含め、自身でも納得のいくものではなかった。周囲の「残念だったね」という声にいたたまれなくなり、帰国後は人に会いたくない心境に陥った。

【次ページ】 “日本を代表する選手”に襲いかかった重圧。

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