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日本の酒を世界に猛烈アピール!
銘酒蔵元がサンパウロに大集合。

posted2014/06/26 12:00

 
日本の酒を世界に猛烈アピール!銘酒蔵元がサンパウロに大集合。<Number Web> photograph by Kosuke Kawakami

中田英寿みずから店頭に立って、ブラジル人のお客さんに日本酒をPR。

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川上康介

川上康介Kosuke Kawakami

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Kosuke Kawakami

 ワールドカップ開幕と同時にサンパウロの中心地にオープンした「nakata.net Café 2014@サンパウロ」。元日本代表の中田英寿がプロデュースする期間限定のこのカフェは、彼の「日本文化を世界に発信したい」という思いからプロジェクトがスタート。料理、酒、器などすべて本格的な“日本”を楽しむことができるカフェとして営業を行なっている。

  しかし地球の裏側の地で、和食や日本酒を提供するには、想像以上の困難があるようだ。今回、「nakata.net Cafe」に参集した「中田ジャパン」のメンバーへの取材。第3回は、日本全国からサンパウロに集結した日本酒や焼酎の蔵元の話を聞いた。

 第1回でも紹介したように、サンパウロは現在日本食ブーム。しかし日本酒はというと、まだそれほど馴染みがないそう。

「ブラジル人にとって、酒というのは、ガンガン飲んで酔っ払って騒ぐためのもの。だから南米産の米で作ったブラジル産日本酒は、かなりライト。本格的な日本酒をじっくり楽しむという文化はまだ根付いていないと思います」(サンパウロの和食店「阿吽」オーナーシェフの小池信さん)

 そんな日本酒不毛の地、ブラジルに「nakata.net Cafe」が持ち込んだのは、本格派揃いの日本の酒14種。『南部美人』(岩手)、『伯楽星』(宮城)、『上喜元』(山形)、『来福』(茨城)、『八海山』(新潟)、『御湖鶴』(長野)、『天狗舞』(石川)、『作』(三重)、『紀土』(和歌山)、『三井の寿』(福岡・以上日本酒)、『兼八』(大分)、『ちんぐ』(長崎)、『山ねこ』(宮崎)、『小牧』(鹿児島・以上焼酎)。いずれも酒好きにはたまらない銘酒揃い。利酒師の資格を持つ中田英寿が厳選した酒ばかりで、日本でもこのラインナップが揃う店は、そう多くはないだろう。

日本酒には個性があることを、まだ世界は知らない。

「世界では、まだ日本酒にはこんなに種類があって、ワインのようにそれぞれ香りや味わいも違うということが理解されていません。でも逆にいえば、それだけの潜在的需要があるということ。これまでも世界各国で『南部美人』の営業、PRをしてきましたが、これだけいいお酒が揃うと、日本酒というグループでのアピールができて、より正しく理解してもらえる気がします」

全国から集った蔵元の方々。中には、「大きな声では言えませんが、W杯の試合を見るほうが楽しみ(笑)」という人も。

 そう語る『南部美人』の中嶋圭さんが驚いたのは、「nakata.net Cafe」のスタイリッシュなインテリア。

「もっと和風にして、いかにも和食、日本酒をアピールする店になるのではないかと思っていました。これだけこだわって洗練した雰囲気だと、お客さんも入りやすいし、ゆっくりと楽しむことができると思います」

【次ページ】 海外のお客様との交流から見えてきたもの。

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