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史上初の男女同コース開催。パインハーストと日本の縁。
~全米オープンに新たな伝統を~ 

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三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byGetty Images

posted2014/06/19 10:00

男子114回、女子69回(右)の全米オープン史上で、男女同じコースが使用されるのは初。

男子114回、女子69回(右)の全米オープン史上で、男女同じコースが使用されるのは初。

 6月19日開幕の全米女子オープンは、全米オープンに続き、2週連続でパインハースト・ナンバー2で行なわれる。男女が同じコースで開催されるのは長い全米オープンの歴史の中でも初めてのことだ。

 テニスのウィンブルドンのように、ゴルフも同時開催があっていいのでは、というのが発想のきっかけだという。同じコースを使用することによって、設備、ギャラリースタンドなどの搬送費、スタッフの移動費などの経費が大幅に削減できることも大きなメリットだ。

 パインハーストは1885年に出来たアメリカ屈指のリゾート地である。8つのゴルフコースを持つと同時に、乗馬やテニスなど、アメリカ上流社会の集いの場でもあった。

 実は、このパインハーストと日本のゴルフの歴史には深い関わりがある。

 その一人が、日本に初めてゴルフを広めた新井領一郎(1855年-1939年)。ニューヨークで生糸の貿易商をしていた新井は、パインハーストでゴルフを覚え、知人たちを通じて日本にこのスポーツを伝えた。

 パインハーストにある宿泊施設ホリーインの名簿には、しっかりと彼のサインが残っている。

宮本留吉が球聖ボビー・ジョーンズを破った“聖地”。

 また、赤星六郎(アマチュアながら日本オープンの初代チャンピオン)という日本ゴルフ界に幅広く影響力をもたらした人物が、1924年パインハーストスプリングトーナメントに優勝している。赤星は当時プリンストン大のゴルフ部に所属していた。その後輩にあたる近衛文隆(父は近衛文麿)もプリンストン大ゴルフ部主将としてここで戦い、チーム優勝をもたらした。

 さらに、1932年にプロゴルファー宮本留吉が、パインハーストのエキシビションマッチで球聖ボビー・ジョーンズを破り、巻き上げた5ドル紙幣にサインを貰ったのは有名な話だ。

 この日本ゴルフ界にとって、ゆかりの深いパインハーストのコースに、12人の日本人女子ゴルファーが挑む。

 宮里藍、宮里美香ら米女子ツアー組、昨年の賞金女王・森田理香子、16歳の新鋭アマ・橋本千里……。

 彼女たちは、この地で歴史に名を刻むことができるだろうか。

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