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全米女子OP、舞台裏の悲哀と気概。
アマチュア野澤真央が手に入れた物。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byYoichi Katsuragawa

posted2014/06/26 10:30

全米女子OP、舞台裏の悲哀と気概。アマチュア野澤真央が手に入れた物。<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

10歳からゴルフを始め、現在はクラーク記念国際高等学校の3年生の野澤真央。昨年は愛知県女子アマチュアゴルフ選手権などで優勝争いを演じた。ベストスコアは64。

 女子ゴルフでの10代アマチュア旋風は、太平洋を隔てた先でも吹き荒れていた。

 米国東部ノースカロライナ州、パインハーストNo.2コースで行われた2014年の全米女子オープン。米国のルーシー・リーは11歳でこの世界最高の舞台を踏み、オーストラリア出身の18歳、ミンジー・リーは3位で決勝ラウンドに進んだ。最終的にトップ10入りしたブルック・ヘンダーソンはカナダの16歳。

 そして日本から出場した16歳・橋本千里は今年日本ツアーを制した勝みなみと同学年のニューフェイス。初体験の米国本土での戦いで、腹痛を抱えながらも日本人史上最年少で予選を通過。淡々とフェアウェイにボールを置き、微妙な距離のパーパットをカップに沈めては、いそいそとカップに手を入れ、4日間を通じて「あんまり緊張しませんでした」と控えめに笑って72ホールを戦い抜いた。

 彼女たちの先人として、かつて天才少女と呼ばれ続けたミシェル・ウィーが、ついに栄冠に輝いた今年のパインハースト。

1度もプレーすることなく去った1人のアマチュア。

 そこには不安と期待に胸を膨らませながら、橋本と一緒に日本から渡米してきた、もう一人のアマチュア選手がいた。野澤真央(のざわ・まお)は昨年、日本女子アマチュア選手権で3位に入った17歳。大会の初日、このコースを1度もプレーすることなく去って行った。

 今年の全米女子オープンには、大きな変革ポイントがあった。これまでは米国内数カ所だけで行っていた本戦出場権を争う予選会を、日本、韓国、中国、イギリスの4カ国でも開催することになった。主催者である全米ゴルフ協会(USGA)の、グローバル化による女子ゴルフ活性化の狙いが見て取れる。

 日本地区の最終予選会は5月、愛知県の東名古屋カントリークラブで行われ、66人が夢のメジャー行きのチケットを争った。出場枠は5つ。36ホールのストロークプレーは、1位突破の成田美寿々以下、6選手が2位タイで並び、残り4つの出場権をかけてプレーオフに突入。橋本はこれを突破し、野澤は敗れた。

【次ページ】 補欠選手として渡米、しかし現地でトラブルが……。

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