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コートジボワール“最速”の男。
ジェルビーニョはいつも裸足だった。 

text by

弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byGetty Images

posted2014/05/26 10:40

コートジボワール“最速”の男。ジェルビーニョはいつも裸足だった。<Number Web> photograph by Getty Images

今季はローマでチーム2位の9得点をあげ、ロマニスタたちの歓声を浴びたジェルビーニョ。ル・マン時代には松井大輔とチームメイトだったことも。

 W杯には俊足の選手がゴマンと顔を揃える。

 コートジボワール代表で最速の男は誰なのか。

 アフリカ系選手はいずれも我の強いことで知られるが、大陸予選突破後に行なわれた代表チーム内の投票で、彼らは迷わなかった。FWジェルビーニョは、愛嬌たっぷりに白い歯を見せる。

「一番速いのは俺だと認めてもらった。『代表で一番ブサイク』の称号も頂戴したけど、それも嬉しい。今の代表には、ユーモアだけじゃなく仲間意識もあるんだ」

 実績や数字だけを見れば、“エレファンツ”の絶対エースFWドログバや、マンチェスター・Cのチーム得点王MFヤヤ・トゥーレを対戦国の守備陣が警戒するのは当然だ。

 しかし、日本代表にとって、アジアレベルを遥かに超越したスプリント力を持つサイドアタッカーは、2人のビッグネームと同等か、それ以上に危険な存在になりうる。

ナポリ、ユーベを相手にゴールを決める決定力も。

 しかも、“ただ速い”だけではない。

 今季、ローマの主力としてセリエA2位躍進に貢献したジェルビーニョは、ビッグゲームで決定的な一撃を決めてきた。

 スクデット3連覇を果たしたユベントスも、日本代表と同じ4-2-3-1を用いる強豪ナポリも、カップ戦で彼から痛い目に遭っている。

 1-0でユーベを沈めたコッパ・イタリアの準々決勝では、空中で右足アウトサイドに合わせた79分のボレーショットで、イタリア代表そのものの守備陣を破った。試合時間の99%を封じ込められても、ジェルビーニョには数秒で十分だった。

 ナポリとの準決勝は2戦合計スコアにより敗退したが、3-2の激闘を制したオリンピコ・スタジアムでの1stレグで、圧巻の2ゴールを叩き込んだ。キックオフから決勝点を奪った88分まで、ジェルビーニョの両脚はトップギアに入ったままだった。

【次ページ】 スパイクをもらうための選抜テストがあった。

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