スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER
田中将大、160億円でヤンキースへ!
注目は消耗度、3番手、発想の転換。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byHideki Sugiyama
posted2014/01/23 11:30
全米を騒がせた移籍騒動に決着をつけ、いよいよMLBへ向け本格始動する田中将大。20億円を超える年俸に応える活躍を見せることができるか。
ヤンキースが日本円にして160億円にものぼる年俸総額を提示したとあっては、他の球団は、厳しかった。
ポスティング制度改定のゴタゴタから始まった「田中将大 メジャー移籍狂騒曲」は、7年という長期契約でのヤンキース入団ということで一件落着とあいなった。
これでヤンキースは、オフシーズンに打てる手はすべて打ったという感じだろうか。田中の前にも、3人の大型契約をまとめていたのだ。
捕手 ブライアン・マッキャン (5年 8500万ドル=約85億円)
外野手 ジャコビー・エルズベリー (7年 1億5300万ドル=約153億円)
カルロス・ベルトラン (3年 4500万ドル=約45億円)
※単純化のために全て1ドル=100円で計算
4人合わせて、のべ22年分、総額4億3800万ドル(=438億円)。
加えてFA権を獲得した黒田博樹との1年契約をまとめているし、たった数カ月でこれだけのビッグネームをまとめて獲得してしまう球団は他にはないだろう。
それだけ、昨季のペナントを逃したことを恥じているのだ。お金に糸目はつけず、必要とするものを手に入れようとする姿勢は、ヤンキースならではだな、と感じる。
田中の序列は黒田の次、3番手が妥当か?
田中の加入は、アメリカン・リーグ東部地区の優勝争いに大きなインパクトを与えそうだ。
CC・サバシア、黒田博樹というベテランの1、2番手はかなり計算が立つが、3番手と目されているイヴァン・ノバは昨季の後半に素晴らしい投球を見せたが、シーズンを通して活躍できるかどうかは未知数だった。
そこに24勝0敗という成績を引っ提げて、田中が加わる。実績を考えると黒田の次、というのが妥当な線だろう。