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巨人の大型補強は、川上哲治流?
“超競争原理”で日本一奪回を期す。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2013/12/08 08:02

巨人の大型補強は、川上哲治流?“超競争原理”で日本一奪回を期す。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

高卒3年目にして開幕投手を務めた宮國椋丞だったが、6勝7敗、防御率4.93と、首脳陣の期待には応えられなかった。

 チームを活性化させるために、必要なのは競争の原理である――。

 これは2013年を振り返って巨人の原辰徳監督が導きだした一つの結論だった。

「本当に選手を育てようと思ったら、ポジションを与えてもダメだということ。選手を育てるために、一番必要なのは競争であり、競争がないところでチームの活性化はないということです」

 セ・リーグを連覇した2013年のシーズン。しかし巨人の戦いは決して盤石なものではなかった。

 開幕前のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)には阿部慎之助、内海哲也という投打の柱を筆頭に大量7人の選手を送り出した。主力7人を欠いたままにキャンプからオープン戦のほとんどを戦うマイナスを問われたときに、原は余裕の表情でこう答えていた。

「むしろ若い選手にとってはチャンス。残った中からWBC組を追い抜くような存在が出て欲しい」

宮國に開幕を任せ、ローテーションの一角を空けた。

 その象徴的な存在だったのが今年でプロ3年目を迎えた右腕・宮國椋丞だった。

 宮國は沖縄・糸満高からプロ入り2年目の'12年に1軍初昇格を果たすと、いきなり6勝2敗、防御率1.86という数字をマークしてブレーク。3年目の今季はローテーションの一角を担う投手として、原監督をはじめ首脳陣の期待を集める存在となっていた。

 特に今季の先発陣を見回すと内海、杉内俊哉、澤村拓一の3人がWBCのために開幕は万全の調整で臨めない可能性が高かった。

 そこでオープン戦で結果を残した宮國に3年目での開幕投手という大役が回ってきたわけである。

「開幕を任せたということは、もちろんキャンプ、オープン戦と本人が結果を残してきたのが一番。ただ、もう一つにはこのチャンスを生かして、何とかローテーションの一角を担うような投手陣の柱に成長して欲しいというこちらの期待もあった。あえて言うならば、その一角は彼のために空けて、多少のことには目をつぶって育てようというこちらの決意の表れでもあったわけです」

 原は振り返った。

【次ページ】 「今年の宮國は結局、守りに入って失敗した」

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