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中邑と丸藤が魅せた、
“遊び心”満載の攻防。
~新日&ノアの天才、初シングル戦~ 

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門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2013/11/09 08:00

中邑と丸藤が魅せた、“遊び心”満載の攻防。~新日&ノアの天才、初シングル戦~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

 プロレスが変わった――。

 カルチャーショックと言ったら大袈裟になるが、ファイトスタイルの進化と変容ぶりに驚かされた。

 10月14日、東京・両国国技館で行なわれた王者・オカダ・カズチカvs.挑戦者・棚橋弘至のIWGPヘビー級選手権試合の“裏メイン”と言われた、中邑真輔vs.丸藤正道のシングル初対決のことだ。

 中邑は「イヤァオ!」のかけ声と、くねくねのパフォーマンスで人気沸騰のIWGPインターコンチネンタル王者。一方、ノアの若きリーダー丸藤は、不知火(旋回式リバースネックブリーカー)というオリジナル技を持つテクニシャンである。新日とノアの交流戦のなかでタッグパートナー、あるいはタッグ戦で相対したことから、「戦ったら面白い奴」と互いにその技量を認め合っていたが、これが初の一騎打ちとなった。

 試合展開の行方に9000人(超満員)の観衆が固唾を飲む。丸藤が中邑の回転キックをヘッドスリップでかわし、中邑が丸藤の仕掛けた不知火を振り切ると、双方それぞれのファンのため息とどよめきが会場を包んだ。相手を自分のペースに引き込もうとする両者の駆け引きに一喜一憂する観客を背に、次から次へと切り返し技を繰り出す中邑と丸藤。高度なテクニックの攻防で観客を手玉にとっていた。筆者にはトップ・レスラーの”遊び心”の対決と映った試合であった。

馬場vs.猪木時代とは違う、勝負を度外視した楽しみ方。

 16分18秒、中邑が十八番のボマイェ(走り込みヒザ蹴り)で丸藤を沈めたが、試合後の二人のコメントも振るっていた。中邑が「俺たちなら、もっとたぎるんじゃねえ? トゥー・ビー・コンティニュー、次、期待しちゃおうかな!」と言えば、負けた丸藤は「俺と中邑のパズルはまだ完成していないぞ」とリーダーらしく交流に含みを持たせる。筆者がかつて見てきた馬場vs.猪木対決時代の「あの野郎っ!」、「こんちきしょう」のギスギスした会場風景など微塵もない。“勝負を度外視した楽しみ方もある”と教えられた。

 いま、新日のリングが熱い。エースのオカダが棚橋を破って5度目の王座防衛で長期政権の構えだ。G1初優勝の内藤哲也は新春1・4東京ドームでのIWGP王座挑戦をゲット。そこに中邑vs.丸藤の再戦がどう絡むのか。終盤戦のカード編成と結果が興味深いものになってきた。

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