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新団体W-1旗揚げで、
武藤が背負う責任と期待。
~全日分裂からプロレス再興を~ 

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門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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photograph byEssei Hara

posted2013/10/05 08:00

新団体W-1旗揚げで、武藤が背負う責任と期待。~全日分裂からプロレス再興を~<Number Web> photograph by Essei Hara

来年、プロ生活30周年を迎える武藤。2002年にも開催されたW-1を復活させ新たな道を進む。

 2020年の東京オリンピック開催決定に沸いた9月8日、武藤敬司率いる新団体「WRESTLE-1」(略称・W-1)が船出した。会場の水道橋・東京ドームシティホールには観衆2500人(超満員札止め)が詰めかけ、旗揚げ戦としては成功の大会だった。

 注目選手は、全日本を退団した船木誠勝、カズ・ハヤシ、近藤修司、河野真幸など予想された顔ぶれ。目新しい試みとしては、試合当日まで一方の対戦相手を“X”として発表せず、女子プロレスを含む全8試合をファンタジック&ミステリアスに進めたことだ。趣向としては面白かった。

 メーンのタッグマッチは、アントニオ猪木のIGF常連だったボブ・サップと武藤がコンビを組み、全日本でおなじみのゾディアック、レネ・デュプリ組と対戦。ドタバタした試合で会場を沸かせた。観客のノリもよく、いい雰囲気だった。

W-1の躍進は新世代のヘビー級レスラーにかかっている。

 ただ、これは旗揚げに限ったご祝儀ムードと言っていいだろう。好奇心も合わさった声援であり、団体としての戦力評価はこれからだ。武藤の全日本在籍期間は約11年。故ジャイアント馬場から受け継いだ伝統ある団体を分裂させた責任は軽くない。6月末に全日本を退団して、3カ月で旗揚げをしたことは評価できるが、業界を混乱させ、ファンにプロレス不信の念を抱かせた償いもある。

 幸いにも、旗揚げ記念の9・15名古屋国際会議場、9・21京都KBSホール、9・22石川県産業展示館3号館の3大会は盛況のうちに無事終了した。

 古巣・全日本のメンバーに比べ、W-1にはヘビー級に転身したKAI、カナダ・メキシコ遠征から帰国したばかりの真田聖也、大和ヒロシ、中之上靖文など、若い選手が多い。大相撲から転向した200kgの珍獣・浜亮太は、プロレス技のタイミングと呼吸を覚え、まだ伸びしろが期待できる。この新世代がどれだけ暴れられるか。W-1躍進のカギは彼らの活躍にかかっている。

 武藤敬司のプロレス経営は二度と失敗が許されない。9月8日の旗揚げ戦は、オリンピックの祝賀ムードでプロレスが一般社会の蚊帳の外に置かれていた。10月6日、後楽園ホールで開幕する「First Trip」(全6試合)を旗揚げと受け止めて、がんばってほしい。

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