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<Jリーガーも体感> “toto”が変える地域スポーツ 

text by

福田剛

福田剛Tsuyoshi Fukuda

PROFILE

photograph byToshiya Kondo

posted2013/09/19 06:02

今年、一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブは
toto助成金を受けて、クラブハウスの新設や
グラウンドの芝生化を行なった。地域住民も巻き込んだ
新たな総合型地域スポーツクラブの在り方を、紹介する。

 第24節終了時点で勝点39の5位と優勝を狙える順位につけているセレッソ大阪。2012年は14位(勝点42)、2011年は12位(勝点43)と過去2年間の低迷時期を考えると、大躍進と言える。ボランチとしてチームを支える扇原貴宏は、好調の理由をこう語る。

「1つ上の学年に螢君(山口螢)、丸君(丸橋祐介)、その上には曜一朗君(柿谷曜一朗)とユース出身の近い世代がお互いに刺激し合いながらプレーできているのが、いい流れを生んでいると思います。環境面で言えば、新しいクラブハウスとグラウンドができたことも大きいですね。練習が終わるとすぐに水風呂に浸かってアイシングできたりと、設備が充実したおかげで、疲労が溜まりにくくなりました」

チームだけではなく一般の人にも開放された練習場。

 今年の1月、セレッソ大阪は大阪市此花区にある舞洲に練習拠点を移した。青々とした芝が一面に広がる天然芝グラウンド、サッカーはもちろんラクロスやラグビーの公式戦が開催できる人工芝のグラウンド、そして最新の設備が揃うクラブハウス……。セレッソ大阪の躍進を支えるこの施設は、専用の練習場ではない。一般の人がスポーツをする場所としても、開放されているのだ。

 ここを管理、運営する一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブは、市民スポーツ振興と地域社会への貢献を目的として2010年に誕生した。代表理事の宮本功氏はクラブ設立の経緯をこう振り返る。

「2006年、セレッソ大阪はJ2に降格し、本来クラブがやらなくてはいけないサッカーやスポーツの普及活動を実施するのが、経営的に難しい状況になっていました」

C大阪スポーツクラブに活用されているtoto助成金。

昨夏のロンドン五輪で活躍し、A代表定着も期待される扇原貴宏。後ろの建物が今年新設されたセレッソハウス。地域住民も様々な形で活用できる。

 Jリーグにはスポーツで日本をもっと幸せな国にするために、「地域に根差したスポーツクラブ」を核にスポーツ文化の振興活動に取り組む『Jリーグ百年構想』がある。

「理念を実現するためには5年先、10年先のことを考えて進めなくてはいけない。そこで海外の事例を集め、考え出したのがスポーツ振興に重点を置いた組織を作ることでした」

 とはいえ、スポーツクラブを作っただけでは経済的な問題は解決しない。そこで活用されているのが、toto助成金である。セレッソ大阪スポーツクラブの場合、主に「施設の整備」と「運営活動」で利用されている。

<次ページへ続く>

【次ページ】 扇原もクラブが運営するサッカースクールで育った。

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