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齋藤学の武器はドリブルではない!?
パスを“出させる”動きで勝負せよ。 

text by

細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2013/08/03 08:02

齋藤学の武器はドリブルではない!?パスを“出させる”動きで勝負せよ。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

東アジアカップベストゴールとの呼び声も高い、齋藤学がオーストラリア戦に決めたドリブルゴール。しかし、ドリブル以上の影響力をチームに及ぼす可能性を齋藤は秘めている。

 7月31日に行なわれたJリーグ第18節、横浜F・マリノスvs柏レイソルの一戦では、横浜FMのMF齋藤学の動きを目で追うことに専念した。

 試合結果は1-1。終始ボールを支配し、数多くの決定機を作った横浜FMにとっては悔やまれるドローとなったが、31分、齋藤はチームにとってこの日唯一のゴールを演出して存在感を示した。

 右サイドタッチライン際に開いて小林祐三のパスを受けると、トラップで中央方向斜めに運び、前傾姿勢のドリブルで対峙するDF橋本和と向き合う。軽快なステップで押し出しながらボールをさらし、両者の間合いが詰まったところで縦方向に急加速。クロスを上げられるタイミングは2度あったが、そのタイミングに合わせて橋本が重心を落とすたびに、齋藤はスピードを落としては加速する緩急の変化でゴールラインギリギリまで進入した。

 この時、視線は自らが運ぶボールにも、粘り強く身体を寄せる橋本にも向いていない。ルックアップの先に見つけたマルキーニョスのボレーに合わせ、ゴールに直結するラストパスを送った。

「うまく自分の……まあ右からでしたけど、しっかり中の人数を見ながらドリブルで運べて、いいゴールが決まったから良かったと思います。ただ、2点目を奪うチャンスがチームとしても何度かあったし、僕も何度かあったので……そこを決められるような選手にならないといけないと思いますね」

 試合後のミックスゾーンで多くの記者に囲まれた齋藤は、自らのビッグプレーをそう振り返った。

ドリブラーとしての存在感は確かに際立っている。

 この日、“ドリブラー”としての齋藤の存在感は確かに際立っていた。

 試合開始直後の2分には左サイドでパスを受けて長い距離をドリブルで運び、一度はボールを失ったが、ペナルティエリア付近で再びパスを受けると韓国代表DFキム・チャンスをかわして右足を強振。チームを勢いに乗せる。

 先制直後の32分にはぽっかりと空いた中盤のスペースに顔を出し、中村俊輔のパスを受けて急加速。結果的には2人のDFに囲まれてボールを奪われたものの、パスを受ける動きの質、すぐさま反転して加速する動きのスムーズさで相手ゴールに迫った。

 さらに42分には再び左サイドでパスを受け、ここでも相手を背負いながら中央方向に反転。スピードでキムを振り切ってマルキーニョスにボールを預けると、自らはリターンを受けるべくゴールに向かって突進した。このランニングは柏のDF近藤直也の“体当たり”に阻まれたが、あと一歩でフィニッシュに迫る豪快なプレーだった。

【次ページ】 しかし齋藤がアピールすべきは、ドリブルではない?

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