SCORE CARDBACK NUMBER

攻守の完成度は抜群、
優勝が見えたグランパス。
~ストイコビッチのブレない舵とり~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

PROFILE

photograph byHiroyuki Setsuda

posted2010/10/16 08:00

攻守の完成度は抜群、優勝が見えたグランパス。~ストイコビッチのブレない舵とり~<Number Web> photograph by Hiroyuki Setsuda

グランパスは20節以降、負け無し。唯一引き分けた23節は、金崎夢生が後半に同点ゴール

 このところ、毎年のように「混戦」と形容され、最終節まで優勝争いがもつれるJ1だが、どうやら今年は、すんなり優勝が決まりそうな気配である。

 18節を終えて首位に立った名古屋が、積み上げた勝ち点は54(25節終了時点。以下同じ)。2位以下が日替わりでもたつき、団子レースを繰り広げているすきに、2位との勝ち点差は9まで広がった。

 名古屋には一昨年、同時期に首位に立ちながら、3位鹿島に逆転優勝をさらわれた経験がある。だが、当時の48を上回るハイペースで勝ち点を重ねている今年は、同じ首位でも裏付けに差がある。

 しかも、J1のリーグ戦が18クラブによる1シーズン制となった'05年以降、首位と2位との勝ち点差9というのは最大差でもある。

 確かに'07年には、3位の鹿島が首位浦和との勝ち点差10をひっくり返して優勝した例がある。しかし、それは残り9試合を全勝するという、そうそう真似のできない奇跡的な追い上げだった。

 つまり常識的に考えれば、残り9試合で勝ち点差9はほぼ安全圏。名古屋は初優勝に大きく近づいている。

名古屋独走のきっかけをつくった0対4の敗戦。

 今になってみると、名古屋が最後の黒星(しかも、0対4)を喫した19節の川崎戦後に、ストイコビッチ監督が口にした言葉があまりにも心憎い。

「ハードスケジュールのなかで、リーグ戦をすべて勝つのは難しい。今日負けたからといって、これで何かを変えることはない。ときにはミスも出るが、同じスタイルを続けていく」

 4-3-3を志向するクラブは他にもあるが、名古屋は攻守両面の完成度で頭ひとつ抜けている。指揮官のブレない舵とりは、揺るぎない自信の表われだと言っていい。

 その自信は当然、選手にも伝わる。24、25節の連続逆転勝利は、先制されても選手たちがまったく慌てず、試合を進めている証しであろう。

 ただし、川崎戦後のピクシーの発言のなかには、ひとつの間違いがあったことを指摘しておかなければならない。

「(首位の名古屋が敗れ、)これでタイトル争いはおもしろくなった」

 0対4の大敗は、優勝争いをおもしろくするどころか、名古屋独走のきっかけを作ったにすぎなかった。

■関連コラム► 好調の名古屋&C大阪と、浦和の差。答えは「外国人枠」と「GM」にあり。 (10/04/12)
► ドラガン・ストイコビッチ 「もっと楽しいサッカーが見たくないか?」 (09/04/01)

関連キーワード
名古屋グランパス

ページトップ