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白熱のオランダGPは
今季最高のレースだった。
~モトGP、ロッシ復活と若手の根性~ 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2013/07/13 08:00

白熱のオランダGPは今季最高のレースだった。~モトGP、ロッシ復活と若手の根性~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

久々の表彰台で喜びを爆発させた元王者。本人のみならずファンもまた格別の勝利だった。

 6月29日に開催されたオランダGPは、実に見どころの多いレースだった。なかでもファンを大喜びさせたのは、元祖スーパースターのV・ロッシが3年ぶりに優勝したことだ。

 予選は4番手。決勝では好スタートを切ると、先行するM・マルケスとD・ペドロサを次々にかわした。アッセンのスタンドを埋めた9万人の観客の興奮はこの時点ですでに最高潮だったが、フィニッシュラインをトップで駆け抜けたときには、聞いたことがないほどの大歓声がサーキットを包んだ。

 ドゥカティから古巣のヤマハに復帰した今年のロッシは、ウインターテストから好調だった。その期待に応えて開幕戦カタールGPで2位表彰台に立ったが、それからは鳴かず飛ばず。原因は武器のひとつであるブレーキングに問題を抱えていたためだが、オランダGPの前に行なったテストで大きく改善され、それが結果につながった。

「最高に嬉しい。前回の優勝から、長い時間が経った。もう一度勝てるんだろうかとずっと思っていた」と語ったロッシ。本人はもちろん、世界中のファンが喜んだ通算106回目の勝利だった。

前年度王者ロレンソは鎖骨を骨折しながらも5位でフィニッシュ。

 2位以下の選手たちの健闘も光った。マルケスは前日の大転倒の影響で100%の走りではなかったが、チームメートでエースのペドロサを抜いて2位入賞。レース後半に追い上げながらロッシには届かなかったものの、「バレンティーノが勝つとレースは盛り上がるね」と自身にとってのヒーローでもある元王者の復活を喜んだ。まさにスーパースターとスーパールーキーの競演。今後も熾烈な戦いが繰り広げられるだろう。

 さらにファンや関係者の度肝を抜いたのが、1日目のフリー走行で転倒、左鎖骨を骨折したディフェンディングチャンピオンのJ・ロレンソだった。バルセロナでの緊急手術を経て2日後の決勝レースに復帰。「7周を過ぎた頃から体力の限界だった」と語ったが、総合首位のペドロサに続く5位でフィニッシュ。7点差を最小限の9点差にした執念の走りで世界中のファンを感動させた。

 過去の人になりつつあったロッシの復活劇に加え、ケガにも負けない根性を見せた若手たち。間違いなく今季最高のレースだった。

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