SCORE CARDBACK NUMBER

チャンピオンシップ混沌。
ペドロサの悲願はなるか。
~モトGP王者へ、さらなる成長を~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

PROFILE

photograph bySatoshi Endo

posted2013/06/14 06:00

チャンピオンシップ混沌。ペドロサの悲願はなるか。~モトGP王者へ、さらなる成長を~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 ホンダワークスのエース、D・ペドロサは、今年が在籍8年目のシーズンだ。今季こそはと念願のチャンピオン獲得に燃えているが、開幕戦カタールGPでは、J・ロレンソ、V・ロッシ、そしてチームメートで新人のM・マルケスに続く4位。さらに第2戦アメリカズGPでは、初優勝したマルケスの後塵を拝して2位と、リザルトだけでなく、話題性でも完全に遅れを取るシーズンのスタートになっていた。

 しかし、第3戦スペインGPで今季初優勝すると、雨になった第4戦フランスGPでも危なげない走りで2連勝。第5戦イタリアGPはムジェロを得意とするロレンソに及ばず2位だったが、アメリカズGPから4戦連続表彰台という安定した速さを見せ、ランキングトップとタイトル獲得に向けて調子を上げてきた。

 昨シーズンのチャンピオンシップはロレンソとの一騎打ちだった。前半戦はロレンソがリードし、ペドロサは後半戦に猛追。結果、ロレンソ6勝、ペドロサ7勝と勝利数ではまさったが、ミスが少なく着実にポイントを取ったロレンソが王座に就いた。

電子制御を向上させたホンダがペドロサに安定感をもたらした。

 互角の戦いだった昨年だが、結論としてはロレンソが強さを感じさせたシーズンだった。速いだけでなく、強くてタフ。それに比べるとペドロサは速いけれど、ロレンソのような強さはなかった。その理由のひとつは、身長160cm、体重51kgという、最高峰クラスでもっとも小柄な身体にある。小さいと風や雨など天候の変化に影響を受けやすくなるのだが、昨年後半からはドライでもウエットでも安定した速さを見せるようになった。

 その要因は、もともとパワーでアドバンテージがあるホンダが、それをコントロールする電子制御の部分でもアドバンテージを築いているからだ。ペドロサはマシンの特性を活かして安定した走りに磨きをかけている。さらに今季は、マルケスというスーパールーキーの活躍も大きな発憤材料になっている。

 ペドロサは、ホンダで125ccと250ccのチャンピオンを獲得したが、あの小さな身体ではモトGPのチャンピオンは無理とも言われてきた。そのペドロサを王者にするのがホンダの悲願でもある。その成就まで、あと一歩。これからが本当の戦いである。

関連コラム

関連キーワード
ダニ・ペドロサ
ホルヘ・ロレンソ
バレンティーノ・ロッシ
ファン・マヌエル・マルケス
ホンダ
モトGP

ページトップ