整体での“ボキボキ”は一時的な現象でしかない！

「加齢や運動不足によって、筋肉、関節、骨といった運動器が衰え、将来的に誰かの手を借りなければ日常生活を送れなくなるリスクが高まる状態のことです。姿勢が悪いのは、ロコモ、またはロコモ予備軍のサインかもしれません」

　とにかく、健康でいたい、太らない身体を手に入れたいと思うなら筋肉量をキープするか、取り戻してやるしかない。

「整体などでボキボキと関節をならしてもらい、姿勢がよくなったと思い込む人がいますが、それは一時的な現象です。家が土台から崩れかかっているのに、屋根を葺き替えたり、壁にペンキを塗っているようなもの。瞬間的には矯正されるのですが、基礎工事をしなければ根本的解決にはならない。体に染みついた歪みや左右のアンバランスを修正するには、地道に筋肉量を増やすしかないんです」

筋肉量が減って、むくんでしまった結果が太い足の原因となる。

　ところが、いまだ筋肉量を増やすことに抵抗を感じる女性は多いようだ。

「ここ数年でやっと筋肉の重要性が一般女性にも広まってきましたが、下半身の筋肉量を増やす＝足が太くなるという根強い誤解を持っている人もいます。ヒゲが生えるくらい男性ホルモンが多い人は別ですが、普通の女性が筋トレしても足は太くならない。下半身の筋肉量が落ちて、血液やリンパなどの体液を押し上げることができなくなり、むくんだ状態になる。これが太い足の原因です。なのに筋肉で足が太くなったと勘違いして運動を止めてしまうと、筋肉量が落ちて、もっと太くなる。だから動かないとダメ、筋肉を使わないとダメなんです」

　美しい姿勢のために大事なのは、運動、そして筋肉量を落とさないこと。美しい姿勢こそが健康で太りにくい体かどうかのバロメーターなのだ。