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リベリーもロッベンも意のままに!?
“対話型”リーダー、ラームの流儀。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2013/06/15 08:02

リベリーもロッベンも意のままに!?“対話型”リーダー、ラームの流儀。<Number Web> photograph by AFLO

CLに優勝し、ミュンヘン空港に到着した飛行機から、ハインケス監督と共にビッグイヤーを掲げながら降りてくるバイエルンのキャプテン、ラーム。ドイツ代表でもキャプテンを務めている。

「力で従わせる時代はもう終わった。現代的なリーダーとは
コミュニケーションを試みて、成功の可能性を高める人間だ」
フィリップ・ラーム (バイエルン・ミュンヘンのキャプテン)

 最近ドイツで、「近代的リーダーシップ」が話題になっている。

 これまでドイツにおける理想的なリーダー像は、ベッケンバウアー、マテウス、カーンといった“闘将”タイプだった。チームメイトの首根っこを掴んで、力ずくで従わせるような感じである。まわりを威圧するようなオーラを持っていることが、リーダーの条件だと思われていた。

 それゆえにバイエルン・ミュンヘンのキャプテンのラームと、副キャプテンのシュバインシュタイガーは、しばしば批判の対象になった。2人とも味方に噛み付くような闘将ではなく、大人しい印象の穏健なリーダーだからである。

 たとえば2011年8月、引退して解説者になっていたカーンが、2人を槍玉にあげた。

「真のリーダーシップを持つ選手がいないと国際舞台では勝てない。今のバイエルンにはそういう選手が見当たらない」

 また、チームメイトのロッベンからも「バイエルンに一応キャプテンはいるが、リーダーがいない。だから苦しい試合で勝てないんだ」という不満が漏れたことがあった。

 バイエルンがCLで勝てないのは真のリーダーがいないから――。そんなイメージが定着しつつあった。

「僕たちのスタイルの正しさが、3冠によって証明された」(ラーム)

 しかし、ついに今季、それが間違いだったことが明らかになる。ラームとシュバインシュタイガーによってまとめられたチームはCLで優勝を果たし、さらにブンデスリーガとドイツ杯も制してクラブ史上初の3冠を成し遂げたのだ。

 3冠達成後、ビルト紙のインタビューで「あなたとシュバインシュタイガーは長らくリーダーシップのスタイルを批判されてきましたね」と訊かれると、ラームはこう答えた。

「僕たちのスタイルの正しさが、3冠によって証明されたと思う。もちろん他のスタイルでも成功することは可能だ。だが、僕たちへの批判が的外れだったことは明らかになったよね」

 シュバインシュタイガーも、今まで批判し続けてきた解説者たちにカウンターパンチを浴びせた。

「フィリップ(ラーム)と僕のやり方は、近代的なもの。昔の人たちには馴染みがなくて、理解できないだろうけどね」

【次ページ】 ラームらの“対話型”リーダーシップとは?

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