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混セを一層熱くする、
3強の微妙な「お家事情」。
~中日が持つアドバンテージとは?~ 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2010/09/07 06:00

混セを一層熱くする、3強の微妙な「お家事情」。~中日が持つアドバンテージとは?~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

4年ぶりのリーグ制覇を狙う落合監督。最後は竜が笑うのか

 シーズンが残り1カ月を切ってもセ・リーグのペナントレースは巨人、阪神、中日がミクロで競り合う熾烈な展開が続いている。

 おそらく最後の最後までこの3チームの混戦は続き、クライマックスシリーズ(CS)への出場権まで広げれば、ヤクルトを含めた四つ巴の戦いは必至の情勢となっている。

「優勝とは1年間、戦って争うもの。ペナントレースの勝者こそ本当の勝者であり、優勝の重みはそこにある」

 中日・落合博満監督は常々、こう語っている。もちろん巨人・原辰徳監督や阪神の真弓明信監督も、今は頭の中には「優勝」の二文字しかないはずだ。ただ、その先に控えるCSと日本一という視点で考えると、巨人、阪神と中日には微妙に異なる事情が浮かび上がってくる。

 絶対に優勝しかない巨人・阪神と、優勝を逃してもCSを勝ち上がる可能性のある中日――。賢明な読者はお気づきと思うが、これはこの3チームの投手力の差ということだ。

CSがペナント優勝チームに圧倒的優位な理由。

 CSでは1位チームには1勝のアドバンテージが与えられる。ただ、もうひとつ、CSで1位チームが圧倒的に優位なのは、第1ステージとファイナルステージ(FS)の間隔が中1日しかない日程的な問題だ。

 第1Sから戦うチームは初戦にエースを投入し、そこから中5日で回すとFSの登板は早くて3戦目、場合によっては4戦目となってしまう。同様に第1Sに2番手、3番手を使っていけば、FSの初戦は4番手の投手になるわけだ。

「クライマックスシリーズを第1ステージから勝ち抜くためには、質の高い先発投手が最低でも4、5人は必要になってくる」

 これは昨年、CSを戦った楽天・野村克也前監督の言葉だ。

 1勝のアドバンテージがあり、相手の3番手、4番手に対してエースをぶつけられる。CSが優勝チームに圧倒的優位と言われる所以である。

 そもそも今季のセ・リーグ混戦の最大の要因は、絶対的な優勝候補だった巨人の低迷にあった。7月には投手陣が10試合連続2ケタ被安打を喫して、内海哲也、ディッキー・ゴンザレス、藤井秀悟の各投手が次々と二軍落ち。ケガから復帰し、終盤のエースと期待したグライシンガーも、再び登録抹消というのが現状だ。

 一方の阪神も決戦と言われた8月20日からの巨人3連戦にファームの防御率が5点台の小嶋達也とルーキーの秋山拓巳を先発させなければならなかった。その台所事情は推して知るべしというところだろう。

【次ページ】 もし中日がトップでゴールを走り抜ければ――。

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