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ついにトップリーグ開幕、
今季は新生・神鋼に注目。
~大畑大介、最後の挑戦~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byNobuhiko Otomo

posted2010/09/02 06:00

ついにトップリーグ開幕、今季は新生・神鋼に注目。~大畑大介、最後の挑戦~<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

 つくづく、おトクなイベントだと思う。毎年8月上旬に行なわれている網走ラグビーフェスティバル。今夏は7日、三洋電機×サントリー、東芝×神戸製鋼、トヨタ自動車×リコーの各試合が組まれた。昨季トップリーグ上位5チームがすべて集結し、1カ月後の開幕を睨んだガチンコ対決を、まとめて、無料で、それも全部至近距離で見られるのだ。

 その網走で「夏合宿を最初から最後までやりきったなんて、何年ぶりだろ?」と笑顔を見せたのは神戸製鋼の大畑大介だ。'07年のアキレス腱断裂以降も筋断裂、肩の骨折など故障が続き、近年の夏合宿では開幕に向けた調整が多かったが、今夏は6日間で組まれた練習試合3連戦を皆勤。最後の東芝戦は「まさかの80分フル出場ですよ」と苦笑したが、その3試合すべてでトライを決める充実ぶりだ。

 今季就任した苑田右二ヘッドコーチは、大畑をCTBに、今村雄太をWTBにと、両エースをポジションチェンジ。これが予想以上に面白い。大畑の真骨頂はスピードに加え、豊富な経験に基づく予測能力だから、ラインの中央でボールタッチの機会を増やした方が効果的だ。同時に、口数の少ない今村はパスやラインコントロールの重責から解放され、国内屈指のランニング能力発揮に専念できる。

大畑大介が目指すCTBの新しいスタイルとは?

 実際、新加入の南アフリカ代表SOグラント、元NZマオリ代表CTBカワウに、テストマッチ世界最多トライ男・大畑が居並ぶフロントスリーに、今村が逆サイドからガシガシ投入されるライン攻撃は迫力十分だ。網走の東芝戦でも、ライン参加した今村が相手タックルを受けたところに走り寄ってボールをかっさらった大畑が、猛加速で40mを走りきる電撃トライを決めてみせた。BKラインは背番号の役割に縛られず、アメーバのごとく自在に伸縮し、爆発する。

「ああいうトライを決めるのが、僕がCTBにいる意味だと思う」と目を光らせた大畑は「どうせやるなら、いままでのCTBとは違うスタイルを作りたい」。

 夏の時点では東芝と三洋が別格の仕上がりを見せている。9月3日のトップリーグ開幕対決では、進化した今年の基準点を見せてくれるはず。だがファイナルは5カ月先。その舞台に立つのは、その間に進歩を重ねたチームなのだ。

 長く、タフな旅が始まる。

■関連リンク► ラグビーの大畑が今季限りで引退 (ニュース 10/08/31)
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