SCORE CARDBACK NUMBER

大学夏合宿シーズン到来。
2強の意外な共通点とは?
~逸材揃う今季の大学ラグビー界~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

PROFILE

photograph byNobuhiko Otomo

posted2010/08/08 08:00

大学夏合宿シーズン到来。2強の意外な共通点とは?~逸材揃う今季の大学ラグビー界~<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

早大ディフェンスを突き破る東海大の前川主将。初の大学日本一に向けチームを牽引する

 夏。網走へ、菅平へ……各チームが続々と合宿に入る季節。あと1カ月、気がつけばシーズン開幕は目の前だ。

 今年は大学ラグビーが熱くなりそうだ。今年の4年生は、東海大のマイケル・リーチと木津武士、早大の山中亮平という日本代表組を筆頭に、近未来の日本ラグビーを背負う逸材がひしめくゴールデンエイジ。昨年のU20を率いた早大の闘将・有田隆平、100mを10秒台で走る関西学院大の超速WTB長野直樹、関東学院大の武闘派SH大島脩平、圧巻の突破力を誇る慶大の増田慶介……各大学のグラウンドには、逸材たちを見つめるトップリーグの採用担当者の姿が絶えなかった。

 注目のシーズン、本番を占う春の戦いで印象に残ったのは、昨季の大学選手権決勝を争った帝京大と東海大の充実だ。

 飛び出したのは東海大だ。YC&ACセブンズでは『神様』セレヴィ率いるホストと死闘を繰り広げて準優勝し、龍ヶ崎、リーグ戦、東日本大学と各大学セブンズの3大会を制覇。攻撃ラグビーは15人制でも猛威を振るい、オープン戦で法大、慶大、早大を圧倒。FB豊島翔平、WTB宮田拓哉らがトライの山を築いた。

「食」への高い意識が屈強な体格を作り上げる。

 その東海大にストップをかけたのはやはり帝京大だ。6月6日のオープン戦では、東海大の猛攻に学生最強タックラーCTB南橋直哉らの分厚い防御で応戦。ボールを奪えばカウンターから1年生FB竹田宜純らが抜け目なくトライを奪い、24対7で快勝した。もっとも東海はリーチらジャパン組と豊島ら教育実習組を、帝京も吉田光治郎主将と日本Aのボンドを欠いての戦い。両校の選手は試合後、口々に冬の再戦を誓いあっていた。

「身体も強いし、コーチの話を前向きに聞く」。これは、多くのトップリーグ関係者が口にする両校の選手評だ。規律と判断力を重視する帝京・岩出、東海・木村両監督の指導の賜物だが、見落とせない共通点がチームの持つ食文化だ。両大学の寮では選手個々が「マイ炊飯器」を所有。賄いの食事が休みの日も、自炊でキッチリ食事を摂る習慣が、部全体に根付いている。個人任せだと手抜きになりがちな「食」への高い意識が、他校が羨む屈強な体格を作り上げているのだ。

 食欲の落ちがちな夏。厳しい練習だけでなく、しっかり食事も摂り、シーズンを戦う土台=体作りにも注目したい。

■関連コラム► 帝京大学 「人間の成長、伝統の始まり」
  ~大学選手権・初優勝までの軌跡~
 (10/01/27)
► ワラビーズの19歳が示す、世界との歴然たる隔たり。
  ~日本の大学ラグビーに危機!~
 (09/11/24)

ページトップ