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アウェー7連敗で感じる
女子日本代表の“ひ弱さ”。
~フェド杯で露呈した適応力の差~ 

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秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

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photograph byHiroshi Sato/Mannys Photography

posted2013/05/18 08:00

アウェー7連敗で感じる女子日本代表の“ひ弱さ”。~フェド杯で露呈した適応力の差~<Number Web> photograph by Hiroshi Sato/Mannys Photography

活躍を期待された森田(右)だったが、屋外の赤土コートで苦戦を強いられ勝利を逃した。

 バルセロナで行なわれた女子国別対抗戦フェドカップで日本はスペインに0-4と完敗、来季のワールドグループ(WG)2部降格が決まった。スペイン代表は世界ランク23位のカルラ・スアレスナバロら粒ぞろいで、用意されたコートは日本選手が苦手なレッドクレー(赤土)。村上武資監督は「一番タフなサーフェスであり、厳しい戦いは予想していた」と選手をかばった。

 スペインはWG優勝5回の強豪であり、確かに地力の差はあった。ただ、気になるのは、アジア/オセアニアゾーンを別にすれば、日本は'04年のブルガリア戦以来、敵地で勝っていないことだ。WGと同2部ではアウェー戦7連敗となった。

 7敗の相手国はすべて欧州で、クレーコートでの対戦が5度あった。日本選手の多くが球足の遅いクレーを苦手にしており、このサーフェスでは1年のうち数週しか試合をしない。しかし、今後もアウェーの赤土コートでフェド杯を戦う機会はいくらでもあるのだから、いつまでも苦手と言ってはいられないはずだ。

 あるいは、単にクレーコートへの適応の問題ではないのかもしれない。

屋根を閉めた状況の有明コロシアムでの試合ばかりでは……。

 スペインの選手たちは泥臭く、たくましかった。彼女たちが育ったクレーは不規則バウンドも多く、風や太陽、コートの湿り具合など自然環境の影響を大きく受ける。だが、選手はおそらく、テニスとはそういうものだと思っている。だから、うまくいかなくても気持ちを切らさず、修正する。調子が上がらなくてもなんとか粘り、ポイントを拾う。

 地力も違えば気質も違うとはいえ、日本選手が淡泊に見えた。一つ歯車がズレただけで崩れてしまうもろさ、厳しい言い方をすれば温室育ちのひ弱さを感じる。

 彼女たちの繊細さを象徴するのが、開閉式の屋根を閉めた有明コロシアムだ。フェド杯で有明を使う際は大抵、屋根を閉める。自然環境の影響を最小限にとどめたいからだ。選手が好むコンディションを作るのは開催国として当然だから、間違いではない。しかし、文字通りの温室に慣れた選手たちがアウェーで大苦戦している。そこに因果関係はないのか。

 強化関係者は代表選手を、もう少し風雪にさらすべきだろう。少なくともコロシアムの屋根くらい開けてもいい。アウェー勝利が少しは近づくのではないか。

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村上武資
フェド杯

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