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<フルマラソン、みんなのマイ・ルール> 参議院議員・弁護士 丸山和也 「右足を出したら、次は左足を出す。ただそれだけだよ」
text by
柳橋閑Kan Yanagibashi
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/05/08 06:00
立場も走力も違うフルマラソン経験者がそれぞれ挙げた、独自の哲学とは?
好評発売中の雑誌Number Do『フルマラソン 100人のマイ・ルール~42.195kmを賢く走ろう~』より、今回は人情派弁護士として人気を博し、現在は参議院議員の丸山和也さんが語ったランニング方法を特別に
全文公開します!
『行列のできる法律相談所』で「お酒にゃ強いが涙にゃ弱い、義理と人情」の弁護士として有名になった丸山和也は、ランニング歴40年以上。参議院議員となったいまも、各地の大会に参加し続ける筋金入りのランナーだ。『24時間テレビ』で100kmを完走した際には、ある“スペシャルドリンク”を飲んで走ったというのだが――。
走り出したのは20代半ばぐらいだったかな。最初は健康のためのジョギングだったのが、30代から大会に出始めるようになった。いまでもフルマラソンには出るけど、最近はゲストランナーとして行くことが多くなってきたから、スターターを務めた後、参加者のみなさんと写真を撮ったり、握手したりしながらゆっくり走る感じですね。
私の場合、もともとタイムを狙うよりも自由に走るのが好きでね。昔は朝起きて水一杯飲んだらすぐ家を飛び出し、田んぼのあぜ道を冬でも上半身裸でダーッと走ってた。そんなことを20年ぐらい続けてたかな。その延長で、いまは寒中水泳もしてますよ。
台風のときに皇居を走って、野生の感覚を呼び覚ましたことも!?
去年、あえて台風のときに皇居を走ってみたんだけど、風雨はすごいし、木は倒れてるし、さすがに誰も走ってなかった。そういう状況で野生の感覚を呼び覚ますのが好きなんだろうね。
だから、いまはトレイルランにも凝ってるんですよ。20kmでも、平地のフルマラソンぐらいきついし、下りてくるときはもう体がぼろぼろ。戦国時代の落ち武者って、こんなふうだったんだろうなと身をもって感じられるね。それでも、変化に富んだ山の斜面を駆け巡っていると、全身が躍動して獣になった気分。何というか、全細胞が活性化する感じがするんだ。空気も眺めもいいし、フルマラソンとは別のおもしろさがある。
それに対してフルマラソンは精神的な面が大きいよね。何回走ってもきついけど、体力というより、淡々と同じことを続けられるメンタル面の修練が必要なんだと思います。だから私は走っている間、「42.195kmを完走しよう」ではなく、「身体を動かしていればゴールは勝手に近づいて来るんだ」と考えるようにしている。
「右足を出したら、次は左足を出す。ただそれだけだよ」と、よく人にもアドバイスするんだけど、3~5時間って、普段は何気なく過ぎる時間でしょう。その間、足を交互に出してさえいればゴールは必ずやって来る。そう考えれば気持ち的にもラクになる。