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オーガスタの魔女は
マスターズで誰に微笑むか。
~タイガーが挑む王座奪回への道~ 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2013/04/10 06:00

オーガスタの魔女はマスターズで誰に微笑むか。~タイガーが挑む王座奪回への道~<Number Web> photograph by Getty Images

アルペンスキーの選手との交際宣言もし、公私共に好調なタイガー。

 オーガスタには魔女が棲むと言われている。マスターズの勝敗を決めるのは、この魔女。だが、彼女は勝者となるべき選手に最初から最後まで手を貸したりはしない。ある場面でほんの一瞬、微笑みかけるだけだ。

 昨年の覇者ババ・ワトソンに微笑んだ瞬間は、プレーオフ2ホール目。ティショットを林に打ち込んだワトソンは「52度のウエッジを握り、地上4~5mの低弾道で木々の下を抜き、40ヤードぐらいフックさせた」というミラクルショットでピン3mへ。これが勝利の決め手になった。

 だが、魔女が今年もワトソンに微笑むとは考えにくい。スポットライトを浴び続けさせるより、苦労話や悲話に溢れる人物を表舞台へ引っ張り上げるのが魔女の好み。彼女のそんな特性を考えると今年の優勝候補の筆頭はタイガー・ウッズになる。

不倫騒動、スイング改造、左足故障……忍耐の結晶を勝利へと。

 '09年末の不倫騒動後、'10年も'11年も未勝利。だが、昨年は年間3勝。今年は早々に2勝を挙げ、3月のアーノルド・パーマー招待も制して今季3勝目、通算77勝目を達成。29カ月ぶりに世界一の座へ返り咲いた。

 世界中が一斉に「復活」と報じたが、タイガー自身は「起こるべくして起こったこと」だと言った。不倫騒動以後、新コーチのショーン・フォーリーとスイング改造に取り組んできた。「ショーンの理論は僕がやってきたこととかなり異なるから時間はかかるとわかっていた」。そこに左足故障が加わったことで練習ができず、ジレンマに苦しんだ。「肉体がヘルシーになった今は十分な練習ができる。何よりそれが大きい」。

 アーノルド・パーマー招待の最終日を最終組で迎えるとき「この位置に立つためにすべての時間を練習とトレーニングに費やしてきた」としみじみ語った。時間と努力と忍耐の結晶が勝利を呼ぶと信じ、優勝を手に入れたその流れが、マスターズでも再現される可能性は大きい。'08年全米OPを最後に遠ざかってきたメジャー優勝を果たせば、メジャー勝利数は「15」となり、ジャック・ニクラスの「18」にあと3つと迫る。

【次ページ】 マキロイや藤田、石川はそれぞれ厳しい現状だが……。

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