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プロチーム空白地帯。
~地方スポーツ発展の可能性は?~ 

text by

小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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photograph byToshiya Kondo

posted2013/04/16 06:00

プロチーム空白地帯。~地方スポーツ発展の可能性は?~<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

1万9694人を収容するベガルタ仙台の本拠地・ユアテックスタジアム仙台。宮城県におけるプロスポーツの歴史は浅いが、1999年のベガルタ仙台のJリーグ加盟以来、プロ野球の楽天、bjリーグの仙台89ERSと、どのチームも地元で人気を誇り、座席稼働率も高い数字を残している。

 日本において「プロスポーツチーム」を定義するのは簡単ではないが、あえて簡潔に、本拠地を定めて「ホーム&アウェー」で全国的なリーグ戦を行なっているチーム――と定義すると、プロ野球、Jリーグ、bjリーグがこれに該当する。こうした、明確なホームタウンを持つプロスポーツチームの、全国的な分布はどうなっているのか。ここ数年でチーム数の増加もあった。現時点の分布をまとめてみたい。

野球、サッカー、バスケのプロチームが一つもないのは10県もある。

●プロスポーツ3競技の都府県(宮城~東京)
都道府県 '13年所属 チーム 昨季平均動員 動員リーグ
順位
宮城 東北楽天 1万6358人 6位
J1 ベガルタ仙台 1万6600人 9位
bj 仙台89ERS 2086人 4位
千葉 千葉ロッテ 1万7211人 5位
J1 柏レイソル 1万3768人 14位
J2 ジェフ千葉 9281人 4位
bj 千葉ジェッツ 1143人 15位
埼玉 埼玉西武 2万1195人 3位
J1 浦和レッズ 3万6634人 1位
J1 大宮アルディージャ 1万0637人 18位
bj 埼玉ブロンコス 1524人 10位
東京 東京読売 4万0333人 1位
東京ヤクルト 1万8371人 5位
J1 FC東京 2万3955人 3位
J2 東京ヴェルディ 5341人 12位
bj 東京サンレーヴス 800人 19位
※東京サンレーヴスは今季の平均動員。

 まず、表(神奈川~福岡は次ページ)に挙げた野球、サッカー、バスケットボールのプロチームが、3つとも存在している都道府県は、宮城、千葉、埼玉、東京、神奈川、大阪、福岡の7都府県だけだ。これ以外にも、例えば北海道には日本ハムファイターズ、コンサドーレ札幌に加えて、日本バスケットボールリーグ(JBL)のレバンガ北海道がある。レバンガの選手は全員がプロ契約で、プロチームとして報道されることも多い。

 しかしJBLは企業チームとプロチームが混在しており、明確なホーム&アウェーの形を取っていない。このため、ここでは除外して考えた。3つそろっているのが7都府県といっても、首都圏と大阪以外では宮城と福岡だけだ。そう考えると、3競技の分布も、かなり偏っていると言わざるを得ない。

 日本にはプロ野球が12チーム、JリーグはJ1とJ2で40チーム、そしてbjリーグは21チーム。合計すると73チームものプロチームが存在している。しかし、この3競技のプロチームが一つもない地域というのも青森、福島、石川、福井、三重、和歌山、奈良、山口、高知、鹿児島と10県もある。これは意外に多い印象だ。

プロチームは増えたが首都圏と大阪への集中状態は変わらない。

 わずか10年前、Jリーグは28チームで、bjリーグ('05年創設)はまだ始まっていなかった。だから、この10年で日本のプロスポーツが大いに発展したことは事実だが、首都圏と大阪への集中状態は、いまなお続いているといえる。もともとプロ野球もそうだった。別表の中では、阪神を甲子園球場のある兵庫県西宮市の球団と考え、大阪の球団の中に入れていないが、一般的には大阪の球団として認識されている。

 そう考えるなら、プロ野球は12球団のうち7球団が首都圏と大阪に集中している。Jリーグは、地方へのプロチーム拡大に貢献してきたものの、一方で東京、神奈川、千葉、埼玉という首都圏に現在10チーム。首都圏への人口分布の偏りが、そのままチームの分布にも表れている形だ。

【次ページ】 '99年まではプロチームがなかった宮城・仙台の好例。

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