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ユトレヒトの“超天然サッカー小僧”。
高木善朗が向き合う2年目の挫折。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byAFLO

posted2013/02/22 10:30

ユトレヒトの“超天然サッカー小僧”。高木善朗が向き合う2年目の挫折。<Number Web> photograph by AFLO

元プロ野球選手・高木豊氏の次男の高木善朗。宇佐美貴史や宮市亮ら、いわゆるプラチナ世代の一人で、パスセンスや得点力を認められて東京ヴェルディから18歳でオランダのFCユトレヒトに移籍した。1年目の昨シーズン記録した6アシストはチーム最多だった。

「人生でプロをやる期間は本当に短いから、
今は24時間サッカーのことを考えたい」
高木善朗 (FCユトレヒト)

 ユトレヒトのスタジアムから10分ほど歩いたところに、サポーターが集まる小さなカフェがある。そこでオランダ名物のコロッケを食べていると、昼からビールを飲んでいるオジさんに声をかけられた。

「日本から来たのか? シャーキー、シャーキー!」

 シャーキーとは、2011年夏にユトレヒトに加入した高木善朗のあだ名だ。物怖じしないキャラクターが受けているのか、どうやら地元のサポーターたちにかなり気に入られているようだ。

ロビーという名のオジさんは続けた。

「今、ユトレヒトにはお金がない。2010年12月にELでリバプールと試合したのが、最近では一番の思い出だ。どうしても若手中心でやるしかない。そういう状況の中で、シャーキーは期待のタレント。チームを背負う選手になってくれると期待している」

昨季はまずまずのスタートを切ったが、今季は出場機会に恵まれず。

 ただし、まだ高木はサポーターの期待に応えているとは言えないだろう。特に今年に入ってから、これまでにない苦戦を強いられている。

 1年目は1得点6アシストとまずまずのスタートを切ったが、2年目となる今季は23節時点で7試合しか出番がない。今年に入ってからは、5試合連続でベンチ外だ。ボウタース監督は昨季途中から指揮を取っており、監督が替わったわけでもない。

 いったい何が起こっているのか? ユトレヒトの練習場を訪れた。

 クラブハウスのカフェの席につくと、高木はテーブルの上で手を組んで、ゆっくりと話し始めた。

「昨季は3トップの左でプレーして手応えがあったんですが、今季はシステムが2トップになって、自分のポジションは真ん中(トップ下、もしくはFW)になった。中央の位置になってボールを触る回数は増えたんですが、逆にドリブルを仕掛ける回数が減ってしまった。何となく自分でも消化不良というか……。新しいポジションへの対応が遅れたかなって思います」

【次ページ】 新システムへの適応を阻むいくつかの理由。

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