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「結局、選手の意識の問題でしょ」
負の連鎖でJ2に沈んだガンバを検証。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2012/12/03 11:45
残留に前向きなコメントを出している遠藤、加地。共に「1年でJ1に戻ってくる」と力強く語った。今野、家長らは来季に向けて微妙な立場をとっている。
屈指の強豪クラブ・ガンバ大阪がJリーグ最終節の磐田戦に敗れて17位となり、J2に陥落した。
いったい、誰がこんな結末を想像しただろうか。遠藤保仁と今野泰幸という日本代表選手が2人おり、個の高い能力を誇る高い倉田秋、家長昭博、レアンドロ、さらにベテランで元代表の明神智和、加地亮がいる。戦力が足りていないのではなく、むしろ他チームが羨むような選手が多数、プレーしているのだ。そんなチームが、なぜ坂道を転がるようにJ2に転落して行ったのか。
「今日の試合が今季のガンバを象徴しているような気がします」
磐田戦後、キャプテンの明神智和は、力なくそう言った。
「早い時間に相手に先制され、追い付いても2点目がなかなか取れない。点を取ろうといい流れで攻撃しても、その途中でポンと点を取られてしまう。そういうのが、何回もあった。これじゃ勝ち点3は取れないし、それが降格という結果に繋がったと思います」
この試合も前半5分という早い時間帯に失点した。後半8分に倉田の個人技で同点に追い付いたものの後半40分に失点。結局、1-2で敗れたのである。
「点を取られても点を取れば勝てる」はずだったが……。
今シーズンのガンバは、先制されると極端に脆かった。先制された試合は2勝12敗という成績が示すように、引っ繰り返すことができなかったのだ。
「以前は、1点取られてもって感じだったけど、今年はバタバタしてしまった。しかも攻撃してても守備が気になって。今日も終盤、やられるかもっていう不安はあった。やっぱり、失点がかなり多かったんで」
明神の言葉通り、ガンバは今年リーグワースト2位となる失点65(得点67)だった。昨年が78得点、51失点。優勝した2005年は、58失点しているが、得点は驚異的な82点だった。遠藤は、「点を取られても点を取れば勝てるから得失点は気にしない」と以前から言っていたが、いかんせん65失点は多すぎた。これは、どうにもならなかったことなのだろうか。
「全体の守備がどうとかよりも、結局……選手の意識の問題でしょ」
磐田戦、怪我から復帰してプレーした加地は、そう言った。