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高校教師・山本健一 「先生は世界一のトレイルランナー!? トレーニングは授業と部活で」 

text by

山田洋

山田洋Hiroshi Yamada

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photograph byMami Yamada

posted2012/11/09 06:01

高校教師・山本健一 「先生は世界一のトレイルランナー!? トレーニングは授業と部活で」<Number Web> photograph by Mami Yamada
日本を代表するトレイルランナーの素顔は高校教師。
8月に行なわれたピレネー大耐久レースで、
日本人初の優勝という快挙を成し遂げた山本健一さんは、
日々、どんなトレーニングに励んでいるのか。

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 今、急速に競技人口が増え、注目を浴びているトレイルランニング。山道を走り抜ける競技性は、都会を走るのとは違った魅力に溢れ、多くの人を魅了している。

 トレラン界では“ヤマケン”の愛称で親しまれる山本健一さんは、日本を代表するトレイルランナーであり、5月に行なわれた100マイルレース「ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)」では日本人最高の3位に入賞。8月末にはピレネー山脈で行なわれた「グラン・レイド・デ・ピレネー(ピレネー大耐久レース)」で日本人初の優勝という快挙を果たしている。

 だが、普段は山梨県立韮崎工業高校に勤務する体育教師だ。高2の担任を受け持ち、山岳部の顧問をつとめている。そんなヤマケン先生は日々の仕事の合間に、どう練習を積んでこの偉業を達成したのだろうか。そのルーツやレース哲学を交えて、高校教師とトレイルランナーの2つの顔を探ってみた。

生徒が遅れても、先頭を走る山本のペースが落とされることはない。

「山を走るのは月曜から土曜の山岳部の練習が中心ですね。クライミングなどもするので、週3回くらいは生徒と一緒に近所の山に走りにいきます。基本的にトレーニングは生徒とほとんど一緒です」

 取材日は、生徒を車に乗せて高校から10分ほどの穂坂自然公園へ向かった。ウッドチップが敷き詰められ、激しいアップダウンのある絶好のトレランコースだ。そこで「今日は1時間走るぞ」と生徒に声をかけると、2km前後のコースを生徒を引っ張って走り出した。

 列の最後尾で一緒に走ってみたのだが、彼は立ち止まって技術的なことを話すわけでもなく、ひたすら先頭を走り、生徒たちが必死に食らいついていくという図が続く。

 途中から1年生のひとりが遅れたが、ペースが落とされることはない。あっという間に集団との差が生まれて見えなくなってしまった。「いつもここで走っているの?」そう話しかけると、必死の形相ながら「僕はまだ1年で、夏もあまり走れていないから全然(ダメ)です」とやや気落ちしたような声で返してくれた。

 ヤマケン先生はポイントで「気持ちだぞ!」と声を掛けながら1時間みっちり休まずに走り続け、最後は「各自のペースで」走り出す。もちろん一気にペースをあげる先生についていける生徒は誰一人としていなかった。

 爽やかな笑顔を浮かべて走る先生が、自分のためのトレーニングをしているようにも見えたが、生徒たちが鍛えられることは間違いがない。練習後、学校の教室で話を聞いた。

【次ページ】 楽しそうに仕事をしていた両親の影響で体育教師に。

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山本健一

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