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五輪出場の危機感が生んだ、
カーリング界の新たな試み。
~中国、韓国の台頭に立ち向かう~ 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byKYODO

posted2012/10/21 08:00

日本選手権連覇の中部電力。決定戦に向け、今秋の遠征先で3つの国際大会に出場した。

日本選手権連覇の中部電力。決定戦に向け、今秋の遠征先で3つの国際大会に出場した。

 10月22日から26日にかけて、カーリングのパシフィックアジア選手権(11月16日開幕)の日本代表決定戦が札幌市で行なわれる。女子は、'11、'12年の日本選手権を連覇している中部電力、'12年の日本選手権準優勝のLS北見、3位のチーム青森の3チームが出場。総当たりで予選リーグを戦い、上位2チームが5試合マッチで決勝を戦う。

 これまでは前年度の日本選手権優勝チームが日本代表に選ばれてきた。今回、代表決定戦を導入した背景には、正式種目になった長野から続く女子の五輪出場が途絶えるという危機感がある。

 パシフィックアジア選手権は、来年3月に行なわれる世界選手権の出場権がかかる大会だ。条件は2位以内に入ること。そして世界選手権に出られなければ、ソチ五輪への道は閉ざされる。しかし日本は、チーム青森が出場した'10年は3位、中部電力が臨んだ'11年は4位に終わり、世界選手権出場を2年連続で逃している。浮き彫りになったのは、急成長した中国、韓国が2強を形成し、日本が遅れを取ったことだった。

チーム数増加で分散した戦力を強化するため、代表決定戦を導入。

 理由は、皮肉にも、競技環境の向上にある。女子はオリンピックに出場することで一定の注目を集めてきた。結果、支援に乗り出す企業も増加。新チームの立ち上げも相次ぎ、第一線で活動する場が増えた。これは長期的には望ましいことだ。だが、チームの増加が、戦力の分散、各チームの成熟の遅れを生み、トップチームのレベルが上がらないというマイナス要素にもなったのだ。

 近年の結果を見れば、世界選手権に出るのは容易ではない。それでも、オリンピックに出ることで認知度が上がってきたことを考えれば、出場を途切れさせるわけにはいかない。そこで、大会直前まで競わせることで強化を図る目的から、代表決定戦の導入に踏み切った。

 危機感は各チームも共有している。中部電力は9月中旬からノルウェーや強豪国のカナダで強化に励んできた。チーム青森は県内のライバルチームのスキップを加えて5人体制となり、9月にやはりカナダに遠征。LS北見は地元に腰を据えてじっくり練習に取り組んできた。

 日本代表争いとともに、どこまでレベルアップを図ることができたのか。各チームの戦いぶりも焦点となる。

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