SCORE CARDBACK NUMBER

新生モト3クラスに、
日本勢期待の星が参戦。
~“17歳のサラブレッド”藤井謙汰~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

PROFILE

photograph bySatoshi Endo

posted2012/01/29 08:00

新生モト3クラスに、日本勢期待の星が参戦。~“17歳のサラブレッド”藤井謙汰~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

弱冠17歳。ホンダのライダーだった祖父を持つ経歴は、まさしくサラブレッドに相応しい

 1月中旬、今年のWGP全クラスの暫定エントリーリストが発表された。ライダーの内訳は、国別ではスペインが最多の24人。常にスペインと数を競ってきたイタリアが13人で2番手。'99年から'00年にかけて10人を超える選手を送り出した日本は、2年連続で3人にとどまった。そして、最高峰クラスに参戦する日本人選手が21年ぶりにいなくなった。

 十数年前まで、スペイン、イタリアと最多エントリーを競った日本としては寂しい限りだが、日本のバイクメーカーの活動縮小の影響は避けられない。日本人選手の世界挑戦は、これからも当分、厳しい時代が続くことになりそうだ。

 そんな状況だが、今年はグランプリ8年目の高橋裕紀と、3年ぶりにグランプリに再挑戦する中上貴晶がモト2クラスに参戦する。この2人がGPにチャレンジしていった時代も、すでにコスト削減が叫ばれていたが、実力があれば、世界への扉は開かれた。

 いまは実力があっても、ルーキーは、スポンサー(資金)を要求されるのが常識。高校2年生で全日本J-GP3チャンピオンになり、今季3人目の日本人としてフランスのテクノマグ・CIPからモト3クラスに参戦する藤井謙汰も例外ではなく、父親のサポートでグランプリ参戦が実現した。

藤井が持つアドバンテージとは?

 謙汰の父親は、全日本ロードや8耐で活躍する名門チーム、TSRの藤井正和監督。恵まれた環境で世界を目指してきた謙汰は、昨年11月に初めて経験したスペイン選手権でも表彰台にあと一歩の4位と、物怖じすることはなかった。

「TSRがグランプリに参戦していたころ何度も見に行った。僕にとってGPは特別な場所ではないし不安もない。とにかく競り合いが大好き。グランプリで優勝したい」

 新生モト3クラスは、250ccの4ストロークエンジンを搭載するニューカテゴリーで、このクラス向けのホンダのニューマシンNSF250Rの開発を担当してきた謙汰は、そのアドバンテージを生かし、デビューシーズンから優勝を狙っている。1月下旬にはチームの本拠地のあるフランスへ向かう。日本人選手にとっては厳しい時代だが、恵まれた環境で才能を開花させてきた謙汰のチャレンジに、日本のレース界が注目している。

■関連コラム ► CRTマシン混走で、新時代を迎えるモトGP。~問われる最高峰クラスの在り方~
► GPの最高峰クラスから遂に日本人が消える。~青山博一、モトGPからWSBへ~

関連キーワード
藤井謙汰

ページトップ