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良き仲間の協力を得て、
笑顔を取り戻したレブロン。
~“悪役”D・ウェイドの言葉~ 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byGetty Images

posted2011/12/23 08:00

良き仲間の協力を得て、笑顔を取り戻したレブロン。~“悪役”D・ウェイドの言葉~<Number Web> photograph by Getty Images

昨季はヒール役となったレブロン(左)だが、盟友のウェイドとともに今季こそ頂点を狙う

 マジック・ジョンソンかマイケル・ジョーダンかといえば、レブロン・ジェイムス(マイアミ・ヒート)は間違いなく、マジック・ジョンソン・タイプだ。ポジションやプレースタイルの話ではなく、選手としてのモチベーションの源の違いの話だ。

 ジョーダンが、相手を倒し、周囲が間違っていることを証明することをモチベーションとして頂点に昇り詰めた選手だったのに対し、レブロンやマジックは、チームメイトと共にプレーする楽しさをエネルギーとして一流になった選手だ。

「僕はバスケットボールが大好きで、楽しくプレーすることでここまでやってきたんだ」とレブロンは言う。

 しかし、'10年夏に物議をかもすやり方でクリーブランド・キャバリアーズからヒートに移籍したことで、周りから批判され、悪役に仕立て上げられてしまった。彼自身が笑顔で楽しもうとしても、それを許さない雰囲気が周りにあった。

 移籍後、初めてクリーブランドに戻って試合をしたときもそうだった。試合中、以前の調子で元チームメイトたちにジョークを言って笑いかけたが、レブロンが去ったことに傷ついていた彼らからは冷たい反応が返ってきた。

「これからは僕が悪役を引き受けるから」とドウェイン・ウェイド。

 そんなことが重なるにつれ、いつの間にかレブロンの顔からも笑顔が消えた。「まわりから悪者だと言われ、自分でもその役を演じようとしてしまった。怒りでプレーするようになってしまった。それまで一度も、そういう気持ちでプレーしたことがなかったのに」とレブロンは振り返る。

 6月、NBAファイナルに敗れてシーズンを終えた後、チームメイトのドウェイン・ウェイドはレブロンに「これからは僕が悪役を引き受けるから、君は君らしくプレーしろよ」と言ったという。同じ年にNBAに入った二人だが、年齢はウェイドのほうが3歳年上。しかも、ウェイドはジョーダン・タイプの選手で、競争心、自己証明をモチベーションとしてNBAまで到達してきた。二人の間の役割分担も自然体に戻ったわけだ。

「ロックアウトの間に、自分が誰なのかを見つめなおす機会を得た」とレブロンは笑顔で言う。

「今はこうして、自分自身に戻ることができた。シーズンが始まるのが本当に楽しみだ」

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