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<五輪代表連続インタビュー#2> MF・扇原貴宏 「シャビのような完璧な技術を」 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byAtsushi Hashimoto

posted2011/11/21 10:31

<五輪代表連続インタビュー#2> MF・扇原貴宏 「シャビのような完璧な技術を」<Number Web> photograph by Atsushi Hashimoto

清武弘嗣、原口元気、山村和也が欠けたチームにあって「五輪代表は誰が出ても絶対に結果を残さないといけない場だから」とチームを奮い立たせる熱いコメントをした扇原

扇原貴宏のプロデビュー戦は5月3日、ACLのアレマ・インドネシア戦。チームでレギュラーに定着したのは、8月20日の清水戦からだ。その1カ月後、ロンドン五輪最終予選の初戦マレーシア戦で、ボランチとして初めてスタメン出場を果たした。2次予選のクウェート戦では、ホーム&アウェーともにベンチ外の屈辱を味わったが、扇原は雌伏のときを経て、今やU-22日本代表の中盤の要になりつつある。

――ロンドン五輪2次予選のクウェート戦では、ベンチメンバーにも入れなかった。その理由を自分なりに分析していた?

「最初の頃は、試合はクラブで試合に出ている選手が出るもんやって思っていたし、自分は実績も何もないんで、出られなくて当然だと思っていました。1回1回のキャンプでも得るものがたくさんあったんで、選ばれているだけでもうれしかったです。だから、なんで自分が出られへんのやろっていうふうにはまったく思わなかったですね。ただ、そうは言ってもクウェート戦でベンチ入りから外されたときは、やっぱり悔しかった。実力不足の自分に対して腹が立ちました。でも、その悔しさがあったからこそ、今までがんばってやってこられたというのはあります」

初スタメン出場のマレーシア戦。手応えがあったとは言いがたい。

――9月の最終予選のマレーシア戦は、山村和也と組んで、初めてのスタメンでの代表デビュー戦だった。手応えはあった?

「相手のレベルがそこまで高かったわけではないので、手応えがあったとは言いがたいですね。あれだけ向こうが引いていればノープレッシャーでプレーできるし、むしろ自分としてはプレッシャーがあるなかでどれだけやれるかを知りたかった。山村さんとは、試合前、横並びにならずに、どちらかが引いたら、どちらかが前に出るようにバランスに気をつけてやろうという話はしていました。2人ともセンターバックの前まで引いていたら攻撃に厚みが出なくなるので、そのへんのところは問題なくやれたと思います。ただ、2-0のスコアに関しては、もっと取れたと思うので物足りなさはありました」

――左サイドの絡みや縦パスなど、攻撃面ではいいプレーが出ていたが?

「左サイドの(原口)元気や(酒井)高徳とは、練習のときからうまいことコンビネーションができていたんです。相手が4-4-2でブロックを作ってきたら、自分がサイドバックとセンターバックの間に入って、ボールを受けて崩していくというのもできていた。縦パスも入れば全体に動きが出てくるし、それは自分の特徴のひとつでもあるので、これからもどんどん狙っていきたいですね」

 U-22日本代表ではボランチだが、セレッソ大阪では当初、センターバックとボランチで併用されていた。今はボランチ専任になったが、184cmという体の大きさ、レフティ、高い技術、第30節の磐田戦で見せた自身2点目のミドルシュートなど、スケールの大きさを感じさせる。

【次ページ】 複数ポジションできるのが理想だけど今はボランチ一筋。

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